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読書の時間 #386
藤森照信×山口晃 日本建築集中講義
藤森 照信 山口 晃 淡交社 (2013)
建築史家・建築家の藤森照信さんと、画家の山口晃さんによる、歴史的に貴重な日本建築物を巡りながらの対談。
この二人のお話が、まあ面白い。
藤森さんの歯に衣着せぬ辛口かつユーモアのある建築批評と、それをやんわりと受けながらも独自の画家としての視点からその印象を話す山口さんの対話は掛け合い漫才のようでもあり、ぜひ音声などでも聞いてみたいところ。
この本で取り上げられた建築物は、法隆寺・日吉大社・旧岩崎家住宅・投入堂・聴竹居・待庵・修学院離宮・旧閑谷学校・箱木千年家・角屋・松本城・三溪園・西本願寺の13カ所。
これらの建築物はどれも貴重で素晴らしいものですが、有名どころをチョイスするのではなく藤森さんの趣味的な嗜好が反映され「おおっ、こんな建築も!」と思うものもありますが、藤森さんが語る、なぜその建築を選んだか、という理由がまた妙に説得力があります。
古い日本の建築だけでなく海外の建築も広く見てきたと思われる藤森さんによる、それぞれの建物についての解説には、見に行ったことがなくても「ほー、そうなのか」とうならされます。
例えば確かに私が若い頃教科書で「法隆寺の建築はエンタシスである」と習った記憶がありますが、それを嘘だとバッサリ斬り、その理由を藤森さんの深く広い知識からひも解く様子は気持ちがいいほど。
本の中で山口さんが、藤森さんと一緒に見学している様子を描いた四コママンガを披露していますが、「え?あの緻密な絵を描く山口さんが描いたの?」と脱力してしまうほどユルく、ついつい和みます。
私が覚えている範囲で実際行ったことのある建築は旧岩崎家住宅と投入堂だけでしたが、また行ってみたくなりました。
他のものもぜひ行ってみたいですね。
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・山口晃 大画面作品集
2015-10-2
カテゴリー:建築・造園/日本の文化と歴史
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