#2
旅の原点
2011-5-23
急行ざおう(前田照彦氏ウェブサイトより)
旅が好きです。今までいろいろな旅をしました。自転車の旅、バスの旅、鉄道の旅、山の旅、海外の旅。共通するのは「チープ」であることですが、様々な旅の思い出を辿っていくと、一つの旅にたどりつきます。
それは、確か小学5年生か6年生のころ。私の親は、親が付き添わない、子供だけの旅をさせてくれました。私の親の故郷である、山形県米沢市までの旅。埼玉の大宮駅から急行「ざおう」という列車に乗って、約6時間かけて米沢駅までたどり着きます。
米沢に着いたら祖父母家族宅で数日お世話になり、帰りも列車に揺られて帰ってきました。
米沢で何をしたかはほとんど覚えていないのですが、いまだに鮮明に覚えている光景があります。それは、雪の中、福島〜米沢間の急勾配の坂を列車がゆっくりゆっくり上っていく光景。
そのころは急行列車もほとんど電車だったと記憶してますが、確か臨時列車だったためか、気動車(ディーゼル機関が動力の列車)があてがわれたのだと思います。
シートは当然リクライニングなどではない、背もたれがほぼ垂直のシートで、車内は蛍光灯が薄暗く灯り乗客もまばら、静かな車内にうなるようなディーゼルのエンジン音だけが延々と響き渡ります。窓の外を見れば防風林が雪で真っ白になっており、斜めに雪が絶え間なく降り注いでいました。
結局のところ、列車に乗っている間したことといえば、窓の外を見ていることだけでした。
今でこそ山形新幹線が2時間程度で着いてしまうくらい近くなりましたが、当時は特急「やまばと」や「つばさ」でさえも4時間近くかかっていました。
子供の時分では「遥かなる旅」であり、今でもチープな旅にこだわるのは、その時味わった「旅情」ともいえる気持ちを再び味わいたいとの思いが、自分の意識のどこかで働いているせいなのかもしれません。
カテゴリー:旅と山歩き
*** TOP
***ツブヤキ
記事一覧(2016年3月11日まで)
(⇒それ以降はこちら)
▶カテゴリー
つぶやき/こどもとともに/原発/ライフスタイル/旅と山歩き/芸術のあたり/フィルム/気になる人たち/宮崎へようこそ/平和を 安心を 自由を
*** 読書の時間
記事一覧(2016年3月11日まで)
(⇒それ以降はこちら)
▶カテゴリー
宗教・信仰/思想・哲学・心理/生き方/偉人伝・自伝/世界の社会問題/世界の社会事情と外交/政治と行政/福祉/日本の社会問題/世界の文化と歴史/日本の文化と歴史/建築・造園/まちづくり・コミュニティ/経済・ビジネス/自然科学/医療と健康/地球の環境と資源/自然環境と災害/科学技術/原爆・原発・原子力/食と農/暮らしと子育て/交通/伝統技術/芸術論/画集・作品集/写真集/旅と山歩き/詩集/小説/評論・エッセイ・ルポ/子どもの本
▶おすすめの本