#8
石巻に行って
2011-7-12
ある割烹料理店の店先
段ボールに書かれていた挨拶文
7月9~10日に石巻に行ってきました。ボランティア活動のためです。
石巻は宮城県第二の都市で、東日本大震災により7/7時点で死者約3000人、行方不明者約1000人、避難者が約4500人を数える被害を出しています。
実は石巻でのボランティアは2回目です。1回目は5月3~5日の3日間。ゴールデンウイークはボランティア活動に参加しよう!と決めていたのですが、なかなかちょうどいい条件の募集が見つからず、半ば諦めていたのですが、直前になってある急募の広告が。条件もちょうどよかったので応募しました。募集していたNGOが支援していた地域がたまたま石巻だったんですね。
今回の作業は、Hさんのお宅の床下のヘドロ撤去。津波が去った後にはヘドロが残ります。このヘドロは海底の泥だけでなくゴミや有害物質など様々なものを含んでおり、匂いがひどい。これを撤去せずして生活を再開させることはできません。
Hさんの家でも、一階部分の部屋の大部分はヘドロ撤去が終わっていましたが、廊下はそのままにしてました。というのは、津波が来る4ヶ月前にリフォームで廊下の床板を取り替えたばかりなのだそうです。もちろん津波で床板はダメになってしまいました。惜しくて、すぐに床下を剥がす気にならなかったそうなのですが、被災から4ヶ月が経って、このままにしてても仕方ないから床下のヘドロ掻きをしてもらおうと決心したそうです。
ご主人は本当に私たちボランティアを気にかけてくれました。2日間ともとても気温が高く、汗だくになり、熱中症に気をつけながらの作業で大変でしたが、ご主人と奥さんは冷たいタオルを用意してくださったり、アイスクリームを用意してくださったり。
1日では終わらず、2日目の午前中で終わる予定でしたが、2日目の10時過ぎ、休憩中に地震が起きて津波注意報が発令され、近くの日和山という高台に1時間半ほど避難。関東にいると地震が起きても「またか」ぐらいですが、こういう海に近いところは津波にも気をつけなければいけませんね。おかげで作業は午後までかかってしまいました。でも作業が終わる頃には、ご主人は「これで孫と一緒に暮らせます」と喜んでくれました。
今回の石巻の訪問者で感じたこと、それは「何となく街の雰囲気が明るくなった」こと。それは石巻に来るのが何回目かのリピーター何人かと話をして、共通して出た感想でした。
海岸沿いのある地区ではまだ荒野のような風景で人が住むのにまだまだ時間がかかりそうなところもありますが、何とか暮らしている地区では、出会う人たちの表情も少し変わってきたような気がするのです。お店もすこしづつ開店し、お祭りのポスターなんかも貼り出されていました。今回はボランティアにも外国人の姿が多く見られました。
ボランティアを主催者したNGOのスタッフが言っていたこと。それは、支援は作業の手伝いをすることだけではなく、こうして外からやってきたボランティアが、笑顔で住民に接すること。これが住民の皆さんの励みになっていて、それも一つの支援のかたちなんです、と。実際、住民さんの方から近づいてきて震災の時の話をしてくれることが多いのです。
大勢でボランティアにやって来ても、想像するほど作業が進まないもので、本当に「地道」という言葉がぴったりで、本当に住民の皆さんの役に立っているのだろうかと思ったりもするのですが、道で出会えば挨拶に応えてくださるし、声をかけていただけるのを見ると、少しはお役に立っているのかなと思ったりします。
テレビでは被災地についての情報がめっきり少なくなったといいます。しかしスタッフの方も言ってましたが、まだまだ復興は終わってないし、現にまだまだ普通の生活が出来ない方が多くいらっしゃるのです。
たとえ具体的な手助けが出来なくても、忘れ去らないこと、そしてできれば継続して何らかの形で関わることが必要なのかなあと思いました。
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