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#15

伝統植物


2011-10-16


 日比谷公園内の「水と緑の市民カレッジ」にて、「江戸の園芸植物・その栽培と展示」という講義に参加しました。

 佐倉の国立歴史民俗博物館では「生活文化を支えてきた植物を系統的に植栽し、その理解を深める」ために「くらしの植物苑」を開設しているそうですが、博物館の山村先生が季節の伝統植物として桜草・朝顔・古典菊・山茶花を取り上げてくれました。
 スライドでこれまでの歴史上に生まれたその4種の様々な品種の写真やその展示法、栽培方法を説明してくれました。

 実に様々な品種があるんですね、海外のハデで華やかな園芸植物と違って、日本の園芸植物は控えめながらも味わい深い趣を持ってます。

 展示法にしても、例えば桜草なんかは、そもそも鉢の大きさが小さいので何段もの段飾りにして、品種によって様々色があるので花の色が斜めのラインで同じ色がつながるように配置したり、この段は何鉢置くなど決めごとがあり、ちゃんとデザイン上の配慮をしているんですね。

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「復元された桜草花壇」
講義資料より

 こういうのは、菊は展示会として地方のお寺や植物園なんかで菊花展として開催されたりしているのは見たことがありますが、それ意外ではあまり見ないですね。

 伝統植物って言葉、初めて聞きましたけど、伝統的な園芸植物という意味で使われているようで、これまでの歴史上で生まれた様々な園芸品種の植物ということのようですが、実はこれまで何十年、何百年も受け継がれてきたこういった植物が絶滅の危機にあるようです。

 それはなぜか。答えは簡単、育てる人がいなくなってきたからです。たとえば春を告げる福寿草、品種が何十種類かあるそうですが、これを継続して育てている人も若くてせいぜい50〜60代、こういった植物は半ば趣味の範疇で育てるそうですから、これらの人たちが育てられなくなったらそこでその品種は途絶える可能性があるのです。

 こういった伝統植物の維持を目指す機関が海外にはあるそうですが日本には無いそうで、だから早急にこのような「日本の財産としての植物」を残していく体制が必要なのです。

 海外のガーデニングのようなものがもてはやされがちなこの頃ですが、こういった伝統的な植物の財産にも目を向けたいものです。



カテゴリー:つぶやき


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