#121
フィリピン
2013-11-22
11月8日、フィリピンに上陸した大型の台風30号は、台風としては過去にないほどの猛威をふるい、大きな被害をもたらしました。
新聞やネットで、台風の被害にあったフィリピンの写真を見て、目が釘付けになりました。
これはまさに、東日本大震災後の、津波の被害にあった東北の街の姿にそっくりではないか。
こんな比喩は、本当はいけないことだと思います。
でも、本当に、そう思ってしまったのです。
報道される被災者の数は、日に日に増えています。
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東日本大震災では、震災により多くの外国人が帰国した中で、東北の地にとどまって地元の人とともに様々な活動をするフィリピンの人たちの姿が報道されました。
20代の頃、私は当時おつきあいがあった宣教師たちが企画した旅で、フィリピンに行ったことがありました。
国民の約9割がカトリック信者の国。
丘の上には、自邸にキリストの像を立ててしまうほどの大邸宅。
その周りには、主にパイナップルを栽培している質素な農村。
ある農家のご家庭を訪問させていただきました。
すっきりした家の中。
それは、来客があるからきれいにしている、というよりも、物がほとんどない、という印象でした。
道路をクラクションをけたたましく鳴らしながら走るのは、原色をフルに活用しゴテゴテとデコレーションした、ハデなトラックやバス。
夜の街を暖かく彩る、キラキラとした、独特の雰囲気を持ったクリスマス飾り。
私たちの歓迎会で、リズム感抜群のダンスを披露してくれた子どもたち。
そして、魅力的な郷土料理の数々。
身を寄せ合うように暮らすスモーキーマウンテンに、あふれる人々の熱気。
強かに生きるフィリピンの人たちに、日本という地で生ぬるく生きていた私は、鉄槌をくらったような衝撃を感じました。
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私が所属する教会には、十数人のフィリピン人信者がいます。
先日の、教会のミサの共同祈願で、ある一人のフィリピンの女性が、震えるような声で、故郷フィリピンの被災者のため、そしてその家族親族のために祈りました。
日本には現在、外国人としては中国、韓国・北朝鮮に次いで3番目に多い、約21万人のフィリピン人が暮らしています(2012年12月現在)。
遠いようで近い国フィリピン。
被災したフィリピンの人たちが、少しでも早く、それまでの生活を取り戻し、心の傷が癒されることを願います。
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