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#123

少しづつ、少しづつ。(モデルは近くにあった)


2013-12-19


 前回の記事では、特定秘密保護法が施行されることで言論の自由が奪われることが懸念されるという話を書きました。
 しかし、多くの人は、今ひとつピンとこないでしょう。実際のところ私だってピンとこない。平成の治安維持法と言われたって、まさか、と今でも頭の片隅で思います。
 日本の過去の歴史、そして今の政府の動きの危うさから、これは尋常ではない、放っておいては今に痛い目にあう、と直感で感じはしますが。

 しかし、特定秘密保護法が施行された後に変わっていくであろう日本社会の様子、身近にモデルがありました。



 それは、自由の国、アメリカ。



 前回の記事で、「ナチス政権下である牧師が書いたという一遍の詩」を紹介しましたが、その詩を紹介していたのが、堤未果さんの「アメリカから<自由>が消える」という本。
 この本では、アメリカという国が、政府が行う施策に「おかしい」と、堂々と言えなくなりつつある、というかなり深刻な状況がレポートされていました。

 きっかけは、あの9.11。
 世界貿易センタービルやペンタゴンに旅客機が突っ込み、世界中が驚いた、「アメリカ同時多発テロ」事件です。
 アメリカ政府はこの事件をきっかけに、「テロと断固戦う」と宣言し、テロ撲滅と防止のために「愛国者法」を成立し、規制強化をしてゆきます。


 愛国者法。


 「テロリズムの阻止と回避のために必要な適切な手段を提供することによりアメリカを統合し強化するための法」(Wikipedia)だそうで、9.11のテロの恐怖に怯えたアメリカの人々は、この愛国者法を支持しました。自分たちが、あのようなおぞましいテロから身を守るために。


 しかし、それから、政府による過剰ともいえる規制と監視が始まりました。
 政府の施策に反対するデモに参加する、団体に参加するだけで、政府により徹底的に調べられ、そのような人たちは「テロ容疑者」としてリストアップされ、飛行機さえ搭乗拒否される。しかも、一度リストアップされたら、二度と削除されないといいます。それが、たとえ人違いだとしても。

 空港ではミリ波スキャナーという、全身が丸裸でモニターに写し出されるような、ミリ波レントゲンによる全身スキャナーが、不審物を隠し持っていないか調べるために導入される。電話やFAX、インターネットは監視される。子供がたまたま鞄に大きなはさみを入れているのを学校で発見されただけで、子供がテロ容疑で逮捕される。
 「テロを防ぐことができて安全な社会になった」と思っていたら、ある日突然自分が取り調べを受けて、その後息の詰まるような生活を強いられるようになる。
 記者やキャスターが次々と失職、ジャーナリストの逮捕が過去最高となる。一般市民も、政府の施策に反対するような発言をすれば、「テロ容疑」で取り調べを受ける。政府は「政策についてあやしげな発言や情報を知ったら通報してください」と呼びかけ、身近にいる人から通報されてしまう。
 テロ容疑で逮捕・収容となると、アメリカの法が及ばない他国に収容されて拷問を受け、その事実が社会にいるまわりの他の市民の間に恐怖感を広げてゆく。

 「私が拷問されたという噂が広がった時、地域のほかの聖職者たちの多くは、福音について語ることに急に消極的になりました。
 続いて今度は学生たちが、同様の恐怖から真理を探究することをやめてしまった。
 やがて恐怖は社会全体をのみこみ、今度はジャーナリストたちが口をつぐみ始めます。報復を恐れて真実を人々に伝えることをやめてしまうのです。
 労働者は自らのために組織化することができなくなり、政治家たちは良心の声を聞くよりもそれがもたらす結果を恐れ、為政者の理不尽な提案に賛成票を投じるだけの存在になりさがる。
 拷問をする大義名分はそれぞれ違っても、人間の歴史のなかで、拷問は常にそういうかたちで社会を沈黙させてきたのです。」
 (アメリカ・キリスト教会委員長のフレッド・モリス牧師の言葉)

 しかし、テロとは関係ない人たちが多く捕まっているのに、米国民の大多数はこのことを知らない。このようなニュースは独立系メディアが取り扱い、大手メディアは取り扱わないので、多くの国民は、政府は自分たちを守ってくれると信じ込んでいる。


 つまり、日本で秘密保護法が施行されて実現する社会のモデルはこれなのだろうな、と思いました。
 じわじわと国民に恐怖感を植えつける。
 いきなりおおっぴらにやったら反対の声が大きくなるから、少しづつやって、国民のほとんどが「これはおかしい」と思った時には、様々な法律がすでに政府の都合に合わせて改正され、国民にはそれを是正する術も無くなる。

 アメリカが「テロ対策」を名目に愛国者法を制定したように、日本も「国家秘密の流出を防ぐ」ために(そしてイシバさんがときどきコメントしていたように、テロ対策のために)特定秘密保護法を制定しました。
 アメリカを後追いする、ニッポン。
 しかも、特定秘密が何なのかが「特定されていない」だけにタチが悪い。



 そんな社会は、ご免です。



 しかし、アメリカには、明るい話もありました。

 愛国者法についてあまりよく知らなかった市民も事の重大さを知り、「愛国者法」の撤廃を求める草の根運動が全米各都市で広がった、というものです。

「がっかりすることはないさ、これまで通りの活動を続けるだけだ。結局のところ、いつの時代も結果を出してきたのは、普通の市民が地道に上げ続ける声だったじゃないか」(ハワイ州で五年間教師をしていたケイシー・ハヤシ氏の言葉)


 そうです。地道に、こつこつと、声をあげつづけていけばいいのです。
 アメリカ人でさえ、苦労している。日本人にも、できるでしょうか。

 少しづつ、少しづつ。


 「 アメリカから<自由>が消える 」、ぜひ、読んでみてください。



*****

 余談ですが。
 そもそも9.11はアメリカの自作自演とも言われ、9.11を様々な観点から検証した「ZERO:9/11の虚構」という映画には、貿易センタービルの崩れ落ち方やペンタゴンへの衝突跡が科学的に見てあまりにも不自然であること、そもそもペンタゴンからかなりの範囲は監視され民間機が近づくことなどあり得ないのになぜ旅客機が突っ込んだことになっているのか、などを多くの疑問を解明してます。
 自作自演説が本当かデマか真相は分かりませんが、アメリカ政府はこれまでも自らの手を汚さずに戦争のネタをつくってきましたから、さもありなんという感じではあります。





カテゴリー:平和を 安心を 自由を


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