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#2

旅の原点

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急行ざおう(前田照彦氏ウェブサイトより)

 旅が好きです。今までいろいろな旅をしました。自転車の旅、バスの旅、鉄道の旅、山の旅、海外の旅。共通するのは「チープ」であることですが、様々な旅の思い出を辿っていくと、一つの旅にたどりつきます。


 それは、確か小学5年生か6年生のころ。私の親は、親が付き添わない、子供だけの旅をさせてくれました。私の親の故郷である、山形県米沢市までの旅。埼玉の大宮駅から急行「ざおう」という列車に乗って、約6時間かけて米沢駅までたどり着きます。
 米沢に着いたら祖父母家族宅で数日お世話になり、帰りも列車に揺られて帰ってきました。

 米沢で何をしたかはほとんど覚えていないのですが、いまだに鮮明に覚えている光景があります。それは、雪の中、福島〜米沢間の急勾配の坂を列車がゆっくりゆっくり上っていく光景。

 そのころは急行列車もほとんど電車だったと記憶してますが、確か臨時列車だったためか、気動車(ディーゼル機関が動力の列車)があてがわれたのだと思います。
 シートは当然リクライニングなどではない、背もたれがほぼ垂直のシートで、車内は蛍光灯が薄暗く灯り乗客もまばら、静かな車内にうなるようなディーゼルのエンジン音だけが延々と響き渡ります。窓の外を見れば防風林が雪で真っ白になっており、斜めに雪が絶え間なく降り注いでいました。
 結局のところ、列車に乗っている間したことといえば、窓の外を見ていることだけでした。


 今でこそ山形新幹線が2時間程度で着いてしまうくらい近くなりましたが、当時は特急「やまばと」や「つばさ」でさえも4時間近くかかっていました。
 子供の時分では「遥かなる旅」であり、今でもチープな旅にこだわるのは、その時味わった「旅情」ともいえる気持ちを再び味わいたいとの思いが、自分の意識のどこかで働いているせいなのかもしれません。

2011-5-23

カテゴリー:旅と山歩き

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