#49
小さいコドモだって美術館で芸術に触れ合いたい!
先日、横浜美術館に行きました。
企画展は奈良美智さんの「君や僕にちょっと似ている」。
奈良さんの作品は好きで、2006年に奈良さんの故郷・弘前で行われたgraf A to Zとのコラボはとても楽しいものでした。
<ちょっと意地悪> 今回の企画展は「ちょっと意地悪」などの少女の頭の彫刻が目玉で、あとは奈良さん独特の女の子の、カンヴァス画と小さなダンボール絵。全体的にちょっと単調感があったのは否めませんがなかなか楽しめました。入館者も中高生の女の子が多かったような気がします。
それはそうと、今回のテーマ。
うちは美術館に行く時、たいてい3歳のムスメも連れて行くのですが、まず美術館でお願いされるのが「小さなお子さんのお手を離さないようお願いします」というもの。
親の手を離れると子どもが作品を損傷する恐れがあるということだと思いますが、だいたいの美術館でそのようにお願いされます。
まあそれはそれで仕方ないし、ムスメも「触っちゃいけないんだよね」と親に確認するくらいだから本人も作品に触ってはいけないということは分かっています。
でもコドモは、自分のペースで、自分の見たいものを見たい。ですから「おとーさんあっち見たい」と言えばいっしょに手をつないで見に行くようにはしてますが、ふっと手が離れることもある。
たいていの美術館の場合、子どもがあまりにも親から離れてふらふらしたりうろちょろするとさすがに「お手を離さないように・・・」と言われますが、すこし手を離れるくらいなら何か言われることは無いんですね。
でも横浜美術館の場合。何だか神経質で、ちょっと子どもと手が離れると係員がすぐ飛んできて「お子様と手を離さないようにお願いします」と。だから親も「ほらほら、手をつないで・・・」とうるさく言ってしまう。とてもゆっくりなんか作品を見ていられません。
ムスメとは3回ぐらい横浜美術館に来て毎回そんな対応でしたので親もコドモもちょっと嫌気がさしていましたが、今回はムスメもさすがに嫌になってしまったらしく、途中から展示室の外のソファーで遊びだし、親は私とカミさんと交代で相手をし、手が空いた方が展示室に見に行く、という事態に。さらには、ミュージアムショップで「もう手をつながなくていいの?」とムスメに聞かれるのですよ。作品観るのにどれだけ気を遣うのだ?
芸術って、大きな子どもや大人たちだけのものなのでしょうか。小さな子どもだって、面白そう、と思うから作品に近づいて行こうとする。
美術館で子どもが騒いだりするようなマナー違反は論外ですが、もう少し小さな子どもも自由に見たいものを見ることができるような工夫が出来ないのかなあと思うのです。小さな子どもたちだって大人たちだって、芸術に対する関心はあまり変わらないと思うのですよ。
もちろん展示する作家さんたちには否はありませんが、皆がゆっくり、好きな作品を鑑賞できるような、そんな「観る人」の立場に立った、環境づくりをしてもらえないかなあと、思いました。
でも奈良さんの作品、見てると気持が明るくなります。
奈良美智:君や僕にちょっと似ている
http://www.nara2012-13.org/exhibition/
2012-8-16
カテゴリー:芸術のあたり/こどもとともに