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ツブヤキ #182

大地の芸術祭の旅。(そしてオトナの都合であちこち引っぱり回されるムスメ。2015)

2015-8-10

3年前の「大地の芸術祭」(越後妻有アートトリエンナーレ)で、3歳の身分で私たちオトナに連れ回された娘も、今年は6歳。第6回の大地の芸術祭です。
 さすがにもうお昼寝の時間でもダッコは必要ありません。よかった・・・(でもその分「暑い」「のどかわいた」って注文が多い・・・)
 今回も、見て回った作品をご紹介。(  )内は作品番号です。今回が初出展ではない作品も含まれてます。

1)ミニマルバロックⅣ「双影景」 戸谷成雄 (N074)
 6年前に廃校になった小学校が「清津倉庫美術館」として生まれかわりました。そこに展示された作品の一つ。
 チェーンソーで製材を刻み、灰を塗って仕上げたのだそうです。
 一つ一つの表情は荒々しくも優しい雰囲気。間を抜けていくと、森の中を歩いているようです。

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2)きよつや 東京電機大学山本空間デザイン研+共立女子大学堀ゼミ (N077)
 こちらは教室棟をリニューアルしたようです。元が廃校となった校舎とはとても思えません。

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 ビー玉を上流から放すと、川を模した溝に沿って下流に転がっていくんですよ。

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 その建物下ではピザづくりワークショップが。娘と妻の希望で参加しました。用意されている生地を、伸ばしたりソースを塗ったりトッピングしたり。

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 お兄さんが釜で焼いてくれます。

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 野菜は地元の食材。ミニトマト・コーン・モロッコインゲンなど。そして菊の花!これが香草のように香りのワンポイントとなってよく合ってました。

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3)うつす家 東京電機大学山本空間デザイン研+共立女子大学堀ゼミ (N054)
 古民家の床には、木の枠にはめられたガラスの板。天井からは桃色の封筒が木の実のように下がっています。

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 ハガキにお便り書いて封筒に入れると届けてくれるそうです。娘は誰に書いているのかな?

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 屋根裏に星空のように小さな明りがちりばめられています。とてもきれい。

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4)ここで、深呼吸 勅使河原茜+草月サマーセミナー (N070)
 勅使河原茜さんはいけばなの草月流の家元さんですね。組んだ竹の先が裂けて滝のように降り注ぎます。まるで生きているようです。トンネルをくぐると気持ちいい。

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5)エターナル 吉田明 (N034)
 地元の土を焼いて創った椅子。女の人のような、女神様のような形をしてる?

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 娘は後に回ってお尻の割れ目をつんつんしてます。

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 きれいなタイルです。まるで宇宙のよう。

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 暑くて、娘はついついそばの川に入って遊び始めちゃった!

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6)真夏の夜の夢 原倫太郎+原游、平石博一 (M045)
 もとは富田屋旅館という旅館だったようです。古い旅館建物と現代美術のミスマッチ感が最高。ちょっと高校の文化祭っぽい。
 階段にはいろんな人の顔が!

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 コンコン(しなくても入れます)。桜の間の入口を覗くと、不思議なビデオアート。

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 別の部屋。手前の座布団に座ると、猫ちゃんの瞳に自分の姿が映ります。どんな顔、してるかな?

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 白い玉が空中を行ったり来たり・・・ついつい玉の動きを目で追ってしまいます。

 影絵が走馬灯のようにめぐる夢の世界のような光景。動く絵本みたい。落ち着きます。

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7)Lightbookー北越雪譜 松尾高弘 (M046)
 さきほどの「真夏の夜の夢」と同じ、旧富田屋旅館にて。
 光の下に置かれた本「北越雪譜」のページをめくると、そこに描かれていた絵が暗闇に飛び出す!!
 娘は気に入ったらしく、ずーっとページをめくってました。

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8)work in progress,for Echigo-Tsumari カテジナ・シェダー (M044)
 建物はもともと保育園だったようです。その建物の中を、いや、中だけでなく外へも飛び出して長いテーブルが巡っています。
 テーブルには地元の人たちが撮った写真のアルバムが。昔の写真、最近の写真、家族の写真、植物の写真、風景写真・・・いろいろな写真からは地元の人たちの暮らしを垣間みることができます。

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 どれにしようかなあ?

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 きれいな雪景色でした。

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 テーブルは庭にまで飛び出して。伝っていったら楽しそう。

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9)土石流のモニュメント 磯辺行久 (M043)
 2011年3月に起きた長野県北部地震により、国道353号線を寸断するほどの土石流が発生しました。その土石流跡をモニュメントに。

 土石流発生直後の写真。

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 国道が開通した跡の上空からの写真。土石流が起きた範囲が分かります。

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 砂防ダムを兼ねた巨大モニュメント。処分するのに大変なほどの土砂だったので、土砂を砂防ダムに再活用したと聞きました。この上が展望台になっているとのことですが、展望台に上れるのは土・日曜だけだそうで、私たちは上れませんでした。残念。

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 国道の反対側に、かつての土石流跡の範囲を示す黄色いポールが立ってます。こんなところにまで・・・自然の力ってすごい。

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10)音の風景(上鰕池演芸場編) 秋本秋則 (Y098)
 竹や和紙などで作ったオブジェのような楽器のような、不思議な物体が光に照らされ、コミカルに影が動き回り、軽やかで気持ちのいい音を奏でます。竹と紙という自然素材でよく作ったなあと感心。

 こちらは幕を通して見える影。

 こちらは幕の内側の、オブジェの様子と映し出された影。

11)うたかたの歌垣 古郡弘 (Y099)
 おふくろ館という、営業中の旅館のロビーに設けられた、まるで生きているような「茶室」。

 下からライトアップされた光が、枯穂のような模様の金箔に当たってキラキラ光り、とてもきれい。
 屋根に敷き詰められた鳥の羽は何だろう?と思ったらカラスの羽ですって・・・

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 ザラッとした感じの屏風が、表面に表情豊かな影をつくり、味わい深いです。

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 こんな形のにじり口・・・転びそう!

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 大きな柱状の花器の色が、光の当たった檜?の葉の色ととても合ってました。

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12)「森の学校」キョロロ (Y019)
 里山科学館として建設されたキョロロ。地元に棲む昆虫や魚などの生き物が展示され、子どもたちが郷土の自然を学習することができます。以前も来たことがありましたが、その時は虫の拡大写真が展示されて、虫嫌いの妻は早々と退散した、ところです。
 ここに今回、特別企画展として面白い作品が展示されました。

江本創 (Y094)
 いろいろな材料で作った、不思議な生き物たち。植物?動物?人間?虫?恐竜?

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野田三千代 (Y093)
 海藻で作った押し葉だそうです。いろんな色・いろんな形があって、とてもキレイ。・・・それよりも、海藻ってこんなにいろんな種類があるんですね。

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岩谷雪子 (Y092)
 これ全部、植物の一部。種だったり穂だったり葉だったり。でもこんなふうに組み合わせると、とても不思議な形が出来上がるんですね。

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アカソ(種)
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オオウバユリ(種)
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スズメノテッポウ(穂)
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ブナ(葉)

13)農舞台「今日の限界芸術百選展」 (D274)
 いろんな方の作品が雑多に混在し、まるで「骨董品屋」のよう。ガラクタのようでガラクタではない、「何だこりゃ」と思いつつ、ついつい見入ってしまいます。

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14)実の音 渡辺泰幸 (T324)

 陶器で出来た白い鈴が、森の中で文字通り「鈴なり」に。触れるとコロコロと気持ちの良い音がします。風で揺れても鳴るのかな?

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15)蔡國強 蓬莱山 蔡國強 (T307)
 大地の芸術祭の中心的施設、キナーレ。毎回様々な作品がこの中庭の水面に登場しますが、今回は「蓬莱山」。蓬莱山というのは仙人が住む山のうちの一つだそうですね。大きさこそ小さいけれど、山は木で覆われ、滝も落ち、立派な山。水面の周囲には、藁でできた船やら飛行機が。
 ぜひ蓬莱山の裏側も見て仰天してください。

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16)Soil Museum もぐらの館 (T259)
 前回も来ました、もぐらの館。面白かったし、何よりも「土」って気持ちがすごく落ち着くなあと感じました。今回は展示も変わるということで、また行ってきました。

landscape 阿曽藍人 (T287)
 同じタイル状の土を、温度を変えて焼いたものだそうですが、その様々な表情が面白く、見ていて飽きません。

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もぐらの散歩道 日置拓人+本田匠 (T284)
 この、壁を土で覆われ、木チップが敷かれた廊下、なんだかとてもホッとするのです。

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日陰棚〜土からの染め色の心地 星名康弘 (T288)
 いろんな植物で染めた布だそうです。土で染めた布は廊下↑にありました。いろいろな色がきれいですね。

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MABU(光ノ境界) 中里和人 (T285)
 越後妻有には、水田に水を引くために多くの素掘りのトンネルがあり、それを「まぶ」と呼ぶのだそうです。いろいろな「まぶ」の写真。先人たちがお米を作るために苦労して掘ったいろいろな「まぶ」。これを人力で掘った昔の人ってすごいなあと思います。

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原子へと続く道 佐藤香 (T289)
 階段を覆う、有機的な模様のペイント。実はこれ、いろいろな色の土を塗ったものだそうです。どことなく絨毯っぽいような、あるいは古代の洞窟壁画のような。

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土壌モノリスー日本の土・1万年のプロフィール (T291)
 これは前回もありましたが、リニューアル。土ってこうして見るといろいろな色があってきれいだなと思います。

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泥枯山水階段 木村謙一 (T286)
 縄で形づくり、泥を塗って仕上げた、森のいろいろな動物や植物。「土を使った山水図を立体的・空間的に描いた」のだそうです。やわらかい雰囲気で親しみやすく、童話の世界みたい。

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風環元「球体01」 大平和正 (T283)
 土で作った球体。高さ4.2mもあるのだそうですよ。よく作ったなあ、というのと同時に、うっかり触ったら壊れて崩れ落ちるんじゃないかと思ってしまいます。

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15)鉢&田島征三・絵本と木の実の美術館 (T173)

 10年前に閉校した木造の「真田小学校」を利用した美術館。これも以前、まだ娘がいなかったころに来たことがありましたが、娘が喜ぶかな?ということで行ってみました。ここも多くの作品がリニューアルされてました。

 流木でできた、子どもたち、動物たち。空を飛んだりして、楽しそう。

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 「コンコン もういちど コンコン」って、コンコンしなくても中になにかいるよ〜

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 閉校時に在校していた3人の子どもの落書きがまだ残っていました。

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 和紙でできた、海の中の生きものたち。竜宮城の近くかな?

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おまけ

 車で作品を見てまわる方は、地図を見ながらの作品さがしはなかなか大変。サインも出てますが、今回はちょっと分かりづらかったように思います(開催直後だったからかな?)
 しかし。実は、見たい作品が分かっていれば、スマートフォンがナビしてくれるのです(これは便利)。
 アプリ「十日町ナビ」をダウンロードしてみましょう。

 「ジャンルから探す」を選びます。

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 「大地の芸術祭作品」を選びます。(デフォルトは全てにチェックが入ってます)

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 「駅」で検索してみました。(作品番号でも検索できます)

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 検索結果から選んでみます。

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 住所の横の「MAP」をクリックするとマップのアプリ(私の場合はgoogle map)が開きます。あとはナビで連れて行ってもらいましょう。

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 早くも着いちゃった!(時間が早くて中には入れなかった・・・)
Kiss & Good Bye ジミー・リャオ (T325)

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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015 9/13まで。

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カテゴリー:芸術のあたりこどもとともに

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