ツブヤキ #184
里子ちゃんが泊まりに来たけど・・・
2015-8-22
長い休みの間、数日間里子を預かる制度「ふれあい家庭」。
先日、児童相談所から紹介していただいた里子ちゃんのYちゃんと顔合わせに行ってきました(記事「一人の女の子に会いに」)。
その何日か後、お泊まりの前に慣らしのためにと妻と娘がもう1度児童養護施設を訪ねました。Yちゃんと1日遊んですっかり仲良くなったようです。
そしてお盆になり、Yちゃんが3泊4日の予定でお泊まりに我が家にやってきました。
私は仕事でお迎えには行けなかったのですが、朝から妻と娘が児童養護施設に行き、連れて帰る道すがら、妻+娘+Yちゃんであちこち立寄って遊んできたようです。
私が仕事から帰ってきたら、うちの娘とYちゃんの、二人の女の子が出迎えてくれました。
妻は夕食の準備のためにハンバーグを焼くところでした。
子どもたちにこねるのを手伝ってもらったようです。
Yちゃんはお料理に興味があるようでいろいろと料理のお手伝いをしたがっていました。
とりあえずYちゃんはうまく我が家族に馴染んでいるようでしたが、娘がビデオをみてYちゃんが一人で遊んだり・・・とそれぞれ別々のことをしているのが少し気になって、「せっかくYちゃん来たんだから一緒に遊びなよ」って娘にポロッと言ったのですが。
普段よく遊んでいる子ども同士だったいいのですよそれでも。でも今回はYちゃんはたった一人きりで初めての家にきたのです。少しフォローしてあげて欲しいなあと思いまして。(後から聞いたら、それまでは一緒に遊んでいたけど、その時はたまたま別行動になったらしいです)
それでもYちゃんは料理のお手伝いしたり遊んだりと、彼女なりに楽しんでいたようです。
そのうち、外が暗くなって来たころ、Yちゃんがぽつり、「帰る」と言い出したのがむこうの部屋から聞こえました。
妻はYちゃんをなだめてましたけど、あらー、帰るって言い出しちゃったか・・・と思い、娘がその時たまたま私のところに来ていたので「Yちゃん帰るって言ってるよ。Yちゃんは一人きりでうちに来たんだからいっしょに遊んであげなよ」ってまた娘に言いましたら、娘は娘で親の対応にいろいろ不満に思っているところがあるらしく、ちょっとむっつり。
そのうち娘は、花火やりたい!いっつもやるやる、って言ってやらないじゃん!などとぎゃーぎゃーワガママを言い始め・・・
妻は機転を利かせて、夕食がもうすぐというのにもかかわらず「じゃあ今から花火買いにいこうか」って言って、3人で花火を買いに出かけていきました。
30分くらいして、外で子どもたちの声がして、帰ってきたかなと思ったのですが、いつまでたっても戻ってきません。なんだか娘がぐじゅぐじゅ言っているよう。ずいぶんと長いので様子を見に行ってみましたら、Yちゃんが帰るとまた言い出したらしく、娘は「Yちゃんが帰るのやだー」と泣いてます。
どうやら、娘はせっかくYちゃんがうちに何日もお泊まりするのを楽しみにしていたのに、帰ると言いだしたので悲しくなってしまったようです。Yちゃんは涙目。
まあまあそれでも、花火でもしたら少し気持ちが変わるかな、と思い、じゃあお腹もすいたし、とりあえずご飯食べよう、その後に花火をしよう、とみんなで家に戻ったのです。
4人で食卓を囲んだ夕ご飯。Yちゃんもうちの娘も、完食っていうわけにはいきませんでしたが、よく食べてくれました。
ご飯の後、家のそばで花火始めたのですが、そうしたらさっきのぐじゅぐじゅが嘘みたいに、子どもたちはとても喜びました。
火付け係になった私のもとへ、二人が交互にやってきて、花火に火をつけて、わーっと走り回っていました。
打ち上げ花火に火をつければ、二人でそろってきゃーっと逃げ出して。
二人それぞれに買ってあげた、袋に花火がいっぱい入った花火セットも、だいたい楽しんだみたい。
もう花火も満足したかな?って頃に、じゃあもう夜も遅いからお休みしようか、と家に戻って布団敷き始めたんですが、Yちゃんがメソメソと泣き出し始めました。「おうち帰るー」って、やっぱり涙目になって。
お父さんお母さんがいなくても、彼女にとっては施設がおうちなんだなあ・・・その言葉、心にずしりときます。
今からおおうちに帰ってもみんな寝てるよーって言ってみたんですけど状況変わらず。もう夜の9時半ごろでした。
こりゃあ何とか1晩だけ泊めてみてもトラウマになっちゃってもなあ・・・と思い、泊めずに施設まで送ることにしました。
施設に、今から送りますと電話したら、いたく恐縮されました。
うちの娘もYちゃんのお泊まりはさすがに諦め、一緒に行く!っていうんで、家族みんなで車に乗ってYちゃんを送り届けるために車で施設に向かいました。
着いたら施設の職員さんが出迎えてくれて、ご迷惑かけてすみません・・・って謝ってました。Yちゃん、お泊まりをずっと楽しみにしてたんですけど・・・って。
この子のこと考えたら、ぜんぜん迷惑じゃないですけどね。
***
結局Yちゃん、日帰りで帰ってしまいましたが、でも仕方無いですよね。今までたったの2回だけ会った人たち(私なんか1回しか会ってない)の家に、一人でお泊まりに行くんですよ、4歳の女の子が。よくやったじゃないですか。
うちの娘ですら、里子になるまでに何回も会い、それから日帰りで2回ぐらい我が家に連れてきて、それからお泊まりでしたから。
Yちゃんは4歳とはいえ、いきなりお泊まりはちょっとハードルが高かったかな?
でも娘ともすっかり仲良しになったし、慣れてくれば我が家に泊まれる日も来ることでしょう。
妻は「私が夕飯の支度の時にH(娘)を叱ったりしてたのを見てYちゃんは帰りたくなったんだ」としょげてましたが・・・
私はあることに気づいてました。
花火し始めて火がつかないので娘と妻がマッチかライターを取りに行ってる時。
Yちゃんを送り届ける車の中で娘とYちゃんが寝てしまったものの、途中で立ち寄ったコンビニに妻が買い物に行って、Yちゃんだけ目が覚めた時。
Yちゃんが私にふと「ママどこ?ママどこ?」って、妻の居場所を聞いてきたのです。
初めてのYちゃんとの顔合わせ面談の時、施設の職員さんは、Yちゃんは実のお母さんと交流があまり無く、お母さんのことを話すこともほとんど無い、って言ってました。
Yちゃん、きっと自分に「ママ」っていえるお母さんができて、迎えにきてくれたことが嬉しかったんじゃないかなあ、と思ったのです。
まあ、泊まってくれなくてもいいのです。まだ会って3回目ですから。
夜になってホームシックになっちゃったんですよきっと。片道1時間もかけて一人知らない所に来ただけでも上等上等。
泊まれなかったけど、Yちゃんが喜ぶことができれば、それでいいです。
これからも、時々Yちゃんには会いに行きたいと思います。Yちゃんが望んでくれる限りは。
カテゴリー:こどもとともに