読書の時間#401
生命の星の条件を探る
阿部 豊 阿部 彩子
文藝春秋(2015)
宇宙人は存在するのだろうか?
地球以外に地球のような星はあるのだろうか?
誰しもがそんなことを思ったことがあるのではないでしょうか。
現在の研究で分かっている地球のこと、他の星のこと、宇宙のことから、地球以外に生命が存在する星があるのか、どんな条件であれば生命の存在が考えられるのか、そんなことを探っていきます。
まずは地球上の生命の源ともいえる「水」、そして人間や動物が必要としている「酸素」、その酸素を生み出す植物に必要な「二酸化炭素」。
その「水」「酸素」「二酸化炭素」が存在するための星の条件、そんな星になるための、あるいはそんな星でありつづけるための星や宇宙の条件。
地球に似た星でも、大きさが小さすぎると水を引き止めておけないし、大きすぎると水浸しになる。
二酸化炭素供給に大きな影響があるプレートの動きが見られるのは太陽系では地球だけだったり。
自転や公転の周期、回転の方向、地軸の角度でも、昼夜の時間や四季の有無が大きく変わる。
人間が住むことができる条件というのは、どんどん厳しくなっていく。
それでも、「生命の存在」という前提だけであれば、そんな星はけっこう多くあるのではと思う一方、現在の地球のような環境は、これらの環境条件がわずかでも違っていると大きく変わってくるとともに、地球やその他の星の変化という「時間」というものも考慮すると、やはり人間という形の生命は地球上において唯一無二ではないかと思ってしまいます。
地球上だけではなく、宇宙でも全てがつながっており、そのたまたまの条件で私たちは存在するのだなあとしみじみと感じました。