BEフラット
中村安希 亜紀書房
デビュー作「インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日」とは内容の方向性ががらりと変わってますが、本作で見られる、著者の社会に対する疑問が、あのような壮大な旅につながっているように感じました。何かを探ろうと探し求める旅。
著者はアメリカで学び、世界を旅し、派遣会社の非正規社員として働き、若手国会議員へインタビューすることで、半ばこれからの日本に軽い絶望感を感じながらも、この国の希望を断片的ながらも拾い集めようとしているようです。
フラットな社会づくり。全ての若者にチャンスを与え、何回でもやり直しがきく社会。著者はこれまでの問いかけの中で、そこにこれから進むべき社会の鍵を見いだしたのでしょう。
2011-8-4
カテゴリー:日本の社会問題