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クマともりとひと だれかに伝えたい、いまとても大切な話

森山 まり子 合同出版

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 きっかけは、一人の生徒が提出した、ある新聞記事への感想文。

 中学校で理科の先生をしていた著者が見たのは、里に出てきたツキノワグマがハンターに射殺されたという記事と、それに対する生徒の思い。
 著者はその生徒が調べたことを他の生徒たちに紹介し、山が崩壊しつつあること、熊や森に生きる生物たちが絶滅しつつあることを伝えたところ、生徒たちは「熊を助けたい」と声を上げ始めました。
 そして生徒たちの「助けたい」という思いは著者の背中を後押しし、生徒たちと一緒に役所や県庁、果ては環境庁にまで出向いて熊を殺さないようにお願いして回りますが、数々の困難が・・・

 この本に綴られる、生徒たちの熱意や行動は本当に感動的で、日本の全ての人たちに読んでほしいと思います。
 熊を守るということが、熊のみならず、熊の住む森、森に住む生物たち、そして私たちの生活環境を、そして私たち自身をも守るのだということが分かると思います。
 そして何よりも、中学生たちの熱意がきっかけとなって起こったこの「熊を守る運動」を、今の小中高生たちも身近に感じることができると思うのです。

 この熊を守る運動が発展して、今では 日本熊森協会 という自然保護団体となりました。
 しかし、昨年は熊の餌となる木の実が不作で多くの熊が里まで降りて、そして殺されたことからもわかるように、熊が安心して生育できる環境がいかに大事であるかということがまだまだ認知されていないのが現状です。

 ある生徒が言ったというこの言葉、「先生、大人って、ほんまはぼくら子どもに愛情なんてないんちがうかな。自然も資源もみんな、自分たちの世代で使いはたして、ぼくらになんにも置いとこうとしてくれへんな」・・・大人の皆さんは胸に刺さりませんか?

2011-9-5

カテゴリー:自然環境と災害自然科学
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