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#91

食べる。

中村 安希 集英社 (2011)

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 世界中を旅し、「インパラの朝」でその時の体験談を披露した中村さんが、各国の旅での食べ物にまつわる話を集めてます。全15編。 国はエチオピア、スリランカ、スーダン、モンゴル、などなど。

 各国の食べ物とは言っても、それらが「どんな食べ物であるか」を中心に詳しく説明するわけではなく、食べ物にまつわる思い出話といったところ。その食べ物を作っているシーン、皆で食べているシーン、そしてその前後の出来事。中村さんの様々な長い旅の様子について、特にテーマとなる食べ物にまつわるシーンだけをカットした、そんな感じなのです。

 ある意味「インパラの朝」の続編といってもいいかもしれません。訪れる国の人たちとの交流はやっぱり体当たりで、彼女らしく、いろいろな人たちが寄ってきては様々な出来事に遭遇します。過酷な旅での楽しみの一つは食事であるはずで、それだけに食事にまつわる出来事というのは印象深くなるのかもしれません。

 読んでいるときはその生々しいばかりの出来事の描写に肝心の食べ物についてはその出来事のシーンの一要素に見えてしまうのに、読み終わった後はなぜかその食べ物が気になってしまい、その多くはまあ無理だろうけど機会があれば食してみたい、と思ってしまいます。


2012-1-8

カテゴリー:食と農旅と山歩き世界の文化と歴史

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