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#93

福島原発の真実

佐藤 栄佐久 平凡社 (2011)

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 佐藤栄佐久さんは福島県の前知事です。

 佐藤さんは知事になって、東電の相次ぐトラブル隠しや工程ありきの無茶な運転など、福島原発の安全性に疑問を持ち、エネルギー政策検討会というのを立ち上げ、原発について県の職員とともに必至に勉強します。国や東電に安全性について説明を求め、国からの要求についても納得がいかなければ突き返します。
 福島県民が安全に暮らせるように頑張っただけなのに、その行動は国や東電からだけでなく、原発をかかえる他の地方からも疎ましく思われていたようです。

 この本に書かれた、その国や東電の、原子力を推進するためには手段を選ばないともいえるその手口は目を覆いたくなるくらい荒んだものです。言ってみれば安全第一より運転第一ですね。
 とくに凄まじいのは経産省の横暴ぶり。都合の悪い情報は隠す、平気で嘘をつく、勝手に裏で進める、そしてやんわりと「脅す」。

 佐藤さんは、ある事件で冤罪を掛けられやむなく知事をお辞めになりました(手鏡事件で捕まった 植草 さんもそうですが、政府に歯向かう人はみな冤罪を掛けられてますね)。

 佐藤栄佐久前知事が必死で止めたプルサーマルも、現佐藤雄平知事になったらあっさり受け入れ、そして昨年3月のあの事故。猛毒のプルトニウムも飛び散りました。

 起こるべくして起こった事故なんですね、きっと。天災ではなく人災、それも腐敗は広く根深い。
 事故の後も、経産省も東電も反省の色無し、他の電力会社も同調してますから、「原子力ムラ」が今の状態からあまり変わらなければ大きな原発事故は再びどこかで起こるだろうとこの本を読んで確信しました。

2012-1-12

カテゴリー:原爆・原発・原子力政治と行政日本の社会問題
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