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【読書】ジャック・ルーボーの極私的東京案内
ジャック・ルーボー 水声社 (2011)
ジャック・ルーボーさんはフランスの方です。
本のタイトルからすると東京のガイドブックのように見えます。
ある意味当たってますが、これは随筆のような、それでいて詩のような本です、しかも風変わりな。
まるでツイッターのようなつぶやきの羅列、その文のところどころに、その説明や感想などが枝のようにもぶら下がってます。
文字の色に色々な色を使ったり、文の塊に変化をつけるなど、ページの美しさにも気を配ってます。日本の文学にも造詣が深いようで、日本の本の名前がぽんぽん飛び出たりします。面白いですね。
ルーボーさん、東京を歩きまわりますが、何をしていたかと言うと、TOTOのショールームに行って便器のカタログ貰って読んでみたり、自動販売機を観察してみたり、山手線に乗って電車が駅に停車するごとに詩を書いてみたり。
直感のままに見て回り、常識的思考をちょいと迂回して手を動かしたようにして書き記した東京の姿。日本人である自分にも楽しく、こんな視点があるのかと思いました。
楽しく、そして美しい本。
2012-1-16
カテゴリー:評論・エッセイ・ルポ/詩集