印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |

ハナwork2.jpg

#165

【読書】環境省の大罪

杉本 裕明 PHP研究所

b0165-環境省の大罪.jpg

 昨年の福島第一原発事故で大量の放射能が拡散した際、これだけの環境破壊が引き起こされたにも関わらず環境省がダンマリを決め込んでいたことを不思議に思っていましたが、この本を読んで分かりました。
 環境省は地球温暖化対策である二酸化炭素削減のために原発推進の立場に立っていたのですね。
 環境保護団体は、昔から原発が引き起こす環境破壊や人的被害について指摘していたのに、環境省には環境問題という認識は無かったようです。環境NGOに仕事をしてもらったほうがマシってものです。

 この本を読んでいると、省としてその勢力を維持・拡大することに力を入れてムダな仕事を多くしているという、他の省庁でも同様にあるようなお役所仕事の面が伺えますが、そればかりでなく素人の集まりのようなイメージを持ちました。

 そもそも環境省は放射能には関心が無く、放射能についての知識も無いのに放射能汚染がれき処分の仕事を押し付けられ、お伺いをたてた保安院の言うがままに基準をなし崩しに緩めたようです。
 環境省が市民との集会で「放射能に対して技術的知見を持ち合わせていない」と言ったという記事を思い出しました。

 地球温暖化対策の二酸化炭素削減にしても、リサイクルにしても、数字合わせの机上の空論に終始していたようですね。
 この本の内容が環境省の実態の全てとは思いませんが、いったい環境省とは誰のためにあるのか、環境を守るためにあるのではないのか、と思ってしまいます。

 一方、杉本さんは朝日新聞の記者だそうで、政府べったりになってしまった新聞を発行している新聞社の記者がどれだけのことを書いてくれるのだろうかと思いましたが、それなりに調べて一般市民に訴えようとしている印象を持ちました。
 ただ、ネットに氾濫する情報を「間違った情報が氾濫している」としており、混乱を避けようとする方に力をいれている記者と家族や親しい人を放射能から守りたいと思う一般市民との間に意識の差があるのだなとは思いました。

2012-8-25
カテゴリー:政治と行政日本の社会問題

にほんブログ村 子育てブログ パパの育児へ
ランキングに参加しています。よろしければ1クリック、おねがいいたします!