#266

　その名のとおり図鑑ではありますが、エッセイ風の親しみやすい解説がいいですね。

　取りあげられる植物は、水辺や平地に咲くものから、里山・高山に咲くものまで幅広く、いったいどういう基準で選んだのだろうかと思いますが、きっと多田さんが好きなもの、気になるものを取りあげたのでしょう。
　雑誌「山と渓谷」に連載されていたものを集めたとありますのでもともと図鑑として出版するつもりではなかったのかもしれませんが、写真は花弁、種、根などのパーツの他、昆虫との共生の様子、開花の移り変わりなど、特に特徴的な部分に光を当て、それぞれの植物の個性を浮かび上がらせており、十分図鑑として楽しむことができます。

　植物の不思議な世界に、手軽に触れられる、そんな本。

2013-8-1

カテゴリー：自然科学

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