#340

　芸能の世界の重鎮ともいえる三輪さん。一時期はテレビ番組にもよく出られて、その語りは知性とユーモアに溢れ、その言葉の一つ一つに引き込まれた方も多いかと思います。

　三輪さんの「美学」について語った本ですが、これを読むとその奥深さにはつづく感心させられます。
　ファッションや教養だけでなく、よく言われる「美しさは内面から」という言葉も軽く聞こえる、「重層的でどっしりとした」美学の面々。表面をぺらっとめくっても、その下もそのまた下もめくっても、どこまでいっても下から「美」が顔を覗かせます。

　「美」で人生を生き、様々な修羅場をくぐってきた人の言葉からは、人生の「余裕」さえ感じさせます。

　最後の、美へ誘う「三輪リスト」というのが面白くて、三輪さんが美意識を磨くために参考となるものを、例えば女優さんや映画、本、芸能、芸術、そして「宝石」などを、つらつらと並べて説明したものですが、私の趣味にはとうてい合わないけれども、このような文化があるのだと知っておくのに損は無い。

　それにしても、美意識を持って生きる、という生き方は参考になるところがあって、お金をかけなくても工夫次第で「美を創造することができる」というのには少し救われた感じがしました。

2014-9-29

カテゴリー：生き方／評論・エッセイ・ルポ

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