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#355

五日市憲法草案をつくった男・千葉卓三郎

伊藤 始 望月 武人 杉田 秀子 くもん出版 (2014)

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 時代は江戸から明治に変わる頃、武士から先生となり、憲法草案作成に携わった人がいました。

 千葉卓三郎。
 五日市(いつかいち)に先生として赴任し、住民たちとともに勉強会を通じて、憲法草案を作り上げた人です。

 今から約40年ほど前に、東京・五日市(いつかいち)のとある農家の土蔵から発見された、その、千葉卓三郎が作成した憲法草案は、国民の権利の保証に力を入れるなど現在の日本国憲法に驚くほど似たものでした。

 明治期に入り、自分たちで憲法を作ろうという動きが、この頃ありました。残念ながらその後大日本帝国憲法という天皇主権の憲法が政府により一方的に制定され、この頃全国各地で起こった、自分たちで憲法を作り上げようという運動はストップしてしまいますが、終戦後日本国憲法作成に携わったGHQが、この頃に作成された憲法草案の一つを参考にした憲法草案要綱を受け入れ、日本国憲法へとつながりました。

 現在の日本国憲法は、よく言われる「外国から押し付けられた」憲法ではなく、約100年の時を経てようやく制定が実現した、私たちの憲法だったのです。

 千葉卓三郎が生きた時代に、自分たちの手で憲法を作り上げようとした運動が各地で盛り上がり、現在の日本国憲法がその頃の私たちの先祖たちの努力の末に出来上がったものであることを考えると、日本国憲法は彼らが遺したとても大切な「遺産」であったことが分かります。

 文字が大きくふりがなが振ってあり文章も易しいので、小学生にも分かりやすい本です。憲法の存在がもっと身近になることでしょう。

2014-12-25

カテゴリー:偉人伝・自伝子どもの本日本の文化と歴史
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