#78
日本の魚は大丈夫か 漁業は三陸から生まれ変わる
勝川 俊雄 NHK出版
東北の太平洋沿岸を襲った津波はこの地域の漁業に大きな打撃を与えました。それでもちらほらと漁を再開する動きも出ていますが、震災前の状態までに回復するにはまだまだ時間がかかりそうです。
ここで勝川さんが提案するのが、「震災前に戻すのではなく、震災前よりもよくなる漁業」です。
モデルはノルウェーの漁業。ノルウェーの漁業は補助金無しで稼げる成長産業なのだそうです。それはどうしているかというと、水産資源を管理していること。
つまり、幼魚は穫らないように徹底的に管理し、その穫らなかった魚が大きくなった時に穫ることでさらに高収入を得ることができるようにする、また、水揚げした魚の流通にも関与することでより高い収益を得ようというもの。
日本の漁業は目先の収益のために幼魚まで穫ってしまうことから漁獲量が減少してしまうという悪循環に陥っているそうですね。
ノルウェーの方法がそのまま日本の漁業に当てはめられる訳ではないと思いますが、管理することで漁獲や収益向上が見込めるというモデルがあるというのは心強いと思いました。
あと、原発事故による魚の放射能汚染についても、いろいろ調べて助言しています。原発事故後に一から調べたそうですが、よく調べていると思います。
雨が流れ込む川や湖に棲む「淡水魚に注意」というのは、海の魚には注視していた私もうっかり見落としていました。
2011-12-13
カテゴリー:経済・ビジネス
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