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#79

子どもを信じること

田中 茂樹 大隅書店 (2011)


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 とてもいい本を見つけました。

 子どもは未熟だから、いろいろと親が手助けしてあげなければいけない。はて、そうだろうか?

 田中さんは臨床心理のお医者さんですが、子育てがうまくいかない数々の親子を診てきました。子どもに問題が生じるというのは結局のところ、親に問題があるということのようです。親自身がいろいろと問題を抱える、それが子どもにも反映されてしまう。

 私も子どもを育てる際、なるべく子どもに決断させたり、試させたりしているつもりですが、それでもついつい助言を与えたり注意をしたりしてしまいます。
 でも一番大事なのは、子どもがその時何を感じているかを知り、それをそのまま感じさせてあげ、見守ってあげるのが大事と知り、そうか、大きくなって社会的に立派になるための、躾などの様々な手段を学ばせることよりも遥かに大事なこともあるんだなと改めて感じました。
 ああ、全面的に子育ての考え方を変えなきゃいけないなと思いました。

 この本では、田中さんが今まで診てきた子どもたちが、その親が自分の子どもを「信じる」ことで実際に変わった事例をいくつも挙げています。しかも田中さん自身のお子さんで実際に実践しているようで、そういう意味でも説得力があります。

 子育てに問題が生じる親の事例として、「近すぎる親」と「遠すぎる親」を挙げてます。「近すぎる親」は子どもを自分自身の一部のように考えてしまい、あれやこれや手出ししてしまう親。「遠すぎる親」は子どもを自分を飾り立てる存在のように考えてしまい、自分の持ち物のように子どもに接してしまう親だそうで、この二つのタイプは特に特殊な事例では無く、このような親はどこにでもいるようですね。
 というよりも、私自身も私の親も多少なりとも当てはまるような気がしました。

 最後の「おわりに」に書かれていた一文。
 「結局のところ、子どもを信じる、ということは、かつて子どもであった自分を信じること、そして、今の自分を信じることでもあると、私は思います。」・・・
 これに尽きるんだなあと思いました。子どもは親の鏡。

 ところで、読み終わってはたと気がつきました。これは子育てだけでなく、夫婦間にも当てはまるのではないか?

 何回か読んでみたい本です。

2011-12-14

カテゴリー:暮らしと子育て
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