#80
かぼちゃの下で ウガンダ 戦争を生きる子どもたち
桜木 奈央子 春風社 (2011)
ウガンダは、アフリカ大陸の内陸東側にある国です。
この本に収められているのは、そのウガンダという国ののんびりとした光景、屈託の無い子どもたちの笑顔、そして、6編の短い物語。
物語といっても、そこで語られるのは、実際にあった、子どもにとってはあまりにも悲惨な物語です。
それは、反政府ゲリラ兵に連れ去られ、レイプされた少女、暴力を受けた少年。難民キャンプで病の母に、せめて砂糖と豆を食べさせたいと外国人にお願いする少年。日本では考えられない現実。
解説している伊藤氏貴氏によると、破壊される家や町や、家族が斬り殺される様子など、そういう悲惨さを伝えたいのであれば悲惨な映像を示すべきだったかもしれないが、あえてそうしなかったのだという文を寄せてます。
でも、穏やかな写真と悲惨な物語の組み合わせにより、この子どもたちが見せてくれた笑顔を絶やしてはいけないんだなと逆に思え、その笑顔に会うために再びページをめくることができるんだと思いました。
私たちは、この子どもたちに何もできないかもしれません。しかし、マザー・テレサが「愛の反対は憎しみではなく無関心です」と言ったように、こういう子どもたちが世の中にいるんだということを、こういった本を通して知ることが大事なのだと思います。
2011-12-15
カテゴリー:世界の社会問題/写真集
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