photos.jpg

#90

書行無常

藤原 新也 集英社 (2011)



b0090-書行無常.jpg

 昨年末に行われた藤原さんの「書行無常」展に行った時、たまたま藤原さんが会場にいらしており、当然のように会場でこの本を買って列に並んで藤原さんからサインをいただいき握手までしてもらった時には、自分でも気づかなかったミーハーな一面に他人事のように驚いておりましたが、その頃他に借りていた本が溜まっていたこともあり、ようやく年を明けてのこの本の読書となりました。

 雑誌の連載として企画されたとのことで、藤原さんが日本あるいは世界の各地に行ってそこで思いついた言葉を書にしたため、背景とともに写真に収めるといったものです。感想については こちら の前半をどうぞ。

 展覧会場では厳選された写真が巨大に引き延ばされて展示されていたのに対し、この本ではそれよりも多くの点数の写真が収められており、改めて見ると一筋の川のようにそれぞれの地がつながっているように思えました。

 最初はそれまでの藤原さんの本とはちょっと色の違った、珍道中の記録のような雰囲気に見えましたが、後半はそれまでの藤原さんの作品に多く見られる、どこか無心で何かを手探りしているような、そんな雰囲気を感じました。

 インドのバラナシから東北の津波被災地へと舞台が移った時、その写真の色があまりにも酷似していることに気づきハッとしました。生者と死者が共存する聖地バラナシ。そして津波で被災した東北の町も今また、生者と死者が共存し、聖地となってゆくのだろうかと。


2012-1-4

カテゴリー:写真集評論・エッセイ・ルポ

にほんブログ村 子育てブログ パパの育児へ にほんブログ村 家族ブログ 里親・里子へ にほんブログ村 家族ブログ 養子縁組へ
ランキングに参加しています。
よろしければ1クリック、おねがいいたします!