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#131

Reset Beyond Fukushima Will the Nuclear Catastrophe Bring Humanity to Its Senses?

小原 一真 Lars Muller Publishers


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 小原さんは以前会社員として働いていましたが、東日本大震災直後フォトジャーナリストに転身したという方です。
 福島の他、宮城、岩手の各被災地をまわり、被災地の様子をカメラに収めています。

 そこに最初に映し出されるのは瓦礫ばかりの土地。下を向きながら歩く人、手を合わせる人、捜索活動をする自衛隊や警察の人たち。

 そして福島第一原発の現場に入ります。作業現場や原発作業員たちのポートレート。
 それから、復興に向かって少しづつ平常の生活を取り戻してゆく被災地の様子。学校へ通う子どもたち。

 今回の震災で、おそらく多くの写真家やフォトジャーナリストが現地に入り、多くの写真を撮っていったことでしょう。
 私はそれほどいろいろな方の写真を見ているわけではないので他の方とは比べようがないのですが、小原さんの写真は、ご本人が「人を多く写そうと思った」とおっしゃっているように、そこにいる人たちの様子や、かつてそこで人が生活していた姿が想像できるような場所を主体に写真に収めています。

 そして何といっても、この写真集の大きな特徴として挙げられるのは、原発作業員のポートレートでしょう。私たちと変わらない、本当に普通の人たち。
 写真に写った彼らからは、不思議と穏やかさを感じます。写された本人はもしかしたらそうではなかったかも知れません。でもなぜか、腹が据わったというか、覚悟をきめたというか、そんな人の、気の静けさを感じるのです。
 そして、簡単なインタビューも添えられています。なぜ作業員をやっているか、家族は、などなど。
 ああ、ここに写っている人たちの一人一人にそれぞれの生活があり、事情があり、人生があるのだな、と改めて感じます。

 この本は小原さんの企画に共感したスイスの出版社から出版され、部数の8割が欧米に出回っているそうです。

 小原さんとこの本を知るきっかけになった、とあるイベントについても書きましたので、こちらもどうぞ。
 →しろやぎや本舗「フォトジャーナリスト小原一真氏とアート集団Chim↑Pom水野俊紀氏が見た福島第一原発の作業現場」

2012-4-22

カテゴリー:原爆・原発・原子力写真集日本の社会問題
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