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#130

検証 原発労働

日本弁護士連合会 岩波書店


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 これは原発作業員たちの労働についてを調べた本です。
 3人の原発労働者に聞き取り調査を行い、その原発労働のしくみを解き明かします。

 まず驚かされるのは、「中間搾取の多さ」です。
 原発作業の発注は、東電から一人当たり一日5〜10万円で出ているらしいのですが、実際に作業員の手に届くのは8千円〜1万数千円程度といいます。
 東電の仕事を受注した元請会社の下に、二次下請、三次下請・・・と多くの下請がぶら下がっており、現場で働いている人の取り分は数分の一になってしまう。

 被爆の線量もちゃんと管理するように指導されているものの、現実はそれでは仕事が滞ったり作業員本人の労働時間が減るおそれがあるので誤摩化す場合も多いようです。
 何しろ、危険なところでもそうでないところでも、手にする賃金はあまり変わらないそうなのです。社会保険に入っていない人も多いようです。

 この本ではその3人への聞き取りで終わっており、果たして3人に聞いただけで原発労働の解明をしたことになるのだろうかという疑問もありますが、そのような理不尽な労働構造が確かにあるということが判ったという意味では意義があるいえるでしょう。

 こういった下請け構造というのはどの業界にもあるものですが、私たちが気軽に使っている原発生まれの電気は(今は1基しか稼働していませんが)、特に危険性の高いこのような仕事をこれら低賃金でおこなっている現場の人たちがのおかげであるという現実を、まず知らなくてはならないでしょう。そして、この労働条件の改善を急がなければならないと切に思うのです。


2012-4-20

カテゴリー:原爆・原発・原子力日本の社会問題

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