#138
政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること
堤 未果 角川マガジンズ
政府が国民に嘘をつくのは今に始まったことではないのですが、ここ一年は政府のあまりの嘘のひどさに国民からの信頼がガタ落ちした一年でもありました。
もちろん、福島第一原発事故への対応でです。
堤さんはこれまでのアメリカでの取材から、なぜ、どのように政府が嘘をつくのか、この本で解き明かし、アメリカでこれまで行われてきたこと、そしてそれが国民にどういう影響を及ぼしているか、をまとめ、これらのことが日本でも起こりうると警告します。
アメリカではもはや巨大化した多国籍企業の力が大きすぎて政府がこれらの巨大資本を抑えることはできなくなっているようです。
政府を操り、メディアを駆使して自分たちに都合のいい情報を与えて洗脳し、食い尽くそうとしてしまう。国の中だけでなく、他の国をも。
それはアメリカだけでなく、西側の国々や国際機関においても同じようです。IMFの貸し付けにより発展途上国がますます貧困になったり、あるいは原発を擁護しWHOまでも黙らせてしまうIAEAもしかり。
アラブ革命でさえ、西側のメディアの都合の良いような形で報道され、日本はそれをそのまま流ししているだけであると。
堤さんは、真実の情報にたどり着くための方法として、「違和感」という直感を見逃さないこと、そして資本のピラミッドを見ること、などを挙げています。
ああ、確かに、福島第一原発事故でも、一部の人たちがそのカネの流れを辿っていったことにより、政府・東電ぐるみでの様々なボロが出てきました。
そして東北の震災復興。
アメリカ・ニューオリンズのハリケーン災害後の復興に際しては、復興特区の名のもとに企業寄りの市場化が行われ、地元の意見は無視され続けたと言います。
・・・ああ、東北でも始まってますね。復興特区。同じ道をたどるのでしょうかね。
スポンサー付きの垂れ流しニュースをそのまま信じるのではなく、欲しい情報は自分から探し求めなければいけないのだな、と改めて思った次第でした。
一読すると情報の見方が変わるのでお勧めです。
2012-5-8
カテゴリー:世界の社会問題
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