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#162

異貌の人びと 日常に隠された被差別を巡る

上原 善広 河出書房新社


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 世界の中の、差別される様々な人々について、インタビューを試みながらその様子を明らかにした本。
 ルポものであり、学術的な視点ではなく、旅行者の目線でその被差別をなぞっており、そういう意味では深みは無いかもしれません。
 しかし、「表の世界」から、被差別の、いわば「裏の世界」へと飛び込む様子は読んでいて刺激的であり、上原さんが若い頃に書いた文章とも言っておられますが、興味のままに行動する様子からは、その写し出された世界に動きがあって、物語的に読めます。

 スペイン・バスクの「カゴ」、ネパールのマオイスト、マフィアがはびこるシチリアとコルシカ、パレスチナ、イラク、そして私が最も興味を覚えたのはサハリンのウィルタ。
 ウィルタという人々は一部北海道にも移り住み、その子孫の方々はそのことを明かすことなくひっそりと日本人として暮らしているようですね。知りませんでした。

 このような被差別民は世界中に存在しますが、この本はそのさわりではあるものの、その暮らしぶりや社会における立場などついて、わずかながらに知ることができるのです。

2012-8-13

カテゴリー:世界の社会問題世界の文化と歴史

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