#167

保坂 渉　池谷 孝司　光文社

　つい先日も似たような本を紹介しました。
　「ルポ　子どもの無縁社会」
　親が社会から孤立することでその子どもまで社会から切り離されてしまう。大変ショッキングな内容でありました。

　この本でも、その同じような内容の問題に焦点を当てますが、主に教育現場からみた「子どもの貧困」について報告しています。

　アルバイトで生活費を稼ぎながら学校に通っている高校生、親と車で寝泊まりする中学生、家でまともにご飯が食べられずに保健室でパンをもらう小学生・・・
　これらの原因は主に親の貧困にあるようです。職を失ったり、職についても収入が低いために満足に食費にまわせなかったり、病のために働けなかったり・・・

　このようなケースはだんだん増えているようで、次々に取り上げられる子どもたちの悲惨な状況の報告は目を覆わんばかりです。
　近年貧富の格差は広がるばかりのようですが、大人たちがおかれている状況がそのまま子どもたちにもまさに「連鎖」しているのです。

　子どもたちだけでも何とか満足に学校に通える制度に何とかならないものだろうか、と思ってしまいます。
　それにしてもこの問題、マスコミで取り上げられることはほとんど無いように思いますが、どうなのでしょうか。

　かつての首相が社会的格差が広がってきていることに対し「格差が出ることは悪いとは思わない」と言ったことをふと思い出しました。

2012-9-15

カテゴリー：暮らしと子育て／福祉／日本の社会問題