#170
竹島は日韓どちらのものか
下條 正男 文藝春秋
刺激的なタイトルの本ではありますが、竹島をめぐる、日本と韓国(朝鮮)の領土争いの歴史や現在の状況が、様々な資料をもとに詳しく書いてあります。
私は竹島の問題についてこれまで学校などで習った記憶も無く、自分でインターネットなどで調べてどうやら日本の言い分に理があるらしい、と知ったくらいですが、片や韓国においてはその教育の成果により竹島(独島)については誰もが知っているようです。
「サンフランシスコ講和条約」で日本領とされたこと、そして韓国政府が韓国領であることの証拠とされる史料に記された証言よりも昔に著された出雲藩藩士の史料により明治政府が竹島を島根県に編入していること、その他にも様々な史料をひも解いて実際日本人による利用がその昔あったことを証明、一方で韓国側で証拠とした史料はその記述の内容からして信用に値しない等の説明があります。
べつに韓国の肩を持つわけではありませんが、「どちらのものか」というタイトルのわりには日本寄りに偏った記述という印象がぬぐえず、まあ日本の国の持ち物であることを証明する本であるとするならばそれも当然なのでしょうが、こればかりは両国の意見を摺り合わせなければ精度の上がった見解にはならないのではないでしょうか。
この竹島問題は日本人としては知っておくべきこととは思いますし、この本でそのことが分かりましたが、この問題の解決の道は、両国が「自分の国の島だ」と主張しあうところではなく、おそらくもっと違うところにある、というのが読み終わった後の正直な感想。
2012-9-18
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