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#186

牛腸茂雄作品集成

牛腸 茂雄 共同通信社


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 写真家・牛腸茂雄さんは生涯病と共に歩み36年という短い生涯の中でわずか3冊という写真集を残しました。その中で2作目の「 SELF AND OTHERS 」だけが入手可能で他は古書を探すしかないのですが、その3冊の他実験作のインクブロットや雑誌への掲載作品など、彼が発表したほとんどの作品を収めたのがこの本。
 以前ビデオ「SELF AND OTHERS」を紹介したときに牛腸さんについてはいろいろ書きましたが、この本ではビデオの「SELF AND OTHERS」でもサラッとしか紹介されず、もちろん本の「SELF AND OTHERS」には載っていない他の個性的な作品が見られ、特に東京の雑踏を撮影した「見慣れた街の中で」では、単に街の様子を写したにすぎないのですが、牛腸さんの演出で街の人々が演じているのではないか、と思うくらい、彼らしい写真になっています。
 そして、インクブロットのはっとするような美しさ。遺作となった「幼年の「時間」」に見られる、子どもたちをじっと見つめるようなまなざし。

 友人との共同作「日々」については「多木浩二や中平卓馬らによって、危機感がなく、視線が脆弱で、無常感が顕著であると批判された」そうで、それはそれである意味なかなか的を得た発言と思いましたが、その作品の底にうずまいているかすかな情熱や優しさなどの個性こそがこの人の作品の魅力だと思ってます。

2012-10-31

カテゴリー:写真集
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