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#209
写真集 光り輝く特急「とき」の時代
米山 淳一 駒草出版
特急「とき」は、上越新潟方面へ向かう特急列車の花形でした。
上越・東北新幹線が開通する前の大宮駅は、様々な特急列車が頻繁に発着し、鉄道好きにはたまらないスポットでした。
特に、「とき」に使われた181系電車のボンネットスタイルは、どこか力強さを感じましたし、運行本数も多く、主力特急としての貫禄は十分で、「とき」というインパクトのある名前も相まって鉄道好きには憧れの的でした。
そんな、特急「とき」の、在りし日の姿。
連続するカーブで山間を縫い、水田地帯を駆け抜け、上越への大動脈を急ぐ姿。四季の自然の中に溶け込む姿が何ともすばらしい。
白い雪を蹴散らしながら、満開の梅越しに、新緑の彼方を、黄金色の田んぼの脇を、突き進んでゆきます。
同時代に活躍した、EF15型電気機関車の重連シーンや、70系電車、157系電車、165系電車の懐かしい姿も見ることができます。
新幹線が開通してしばらくしてから一時「とき」の愛称は消滅の憂き目に遭ったものの、しばらくして復活し再び新幹線として返り咲きましたが、スピードアップという効率化ゆえに高架とトンネルしか走らなくなった新幹線の姿はどことなく味気なく、この写真集を見ていると、やはり在来線のこのころの特急列車の勇姿にはかなわないなあと思ってしまいます。
陰ながら「とき」の仕事ぶりを見守り続けた、特急列車にとって良き時代の記録。
2013-1-28
カテゴリー:交通/写真集
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