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#215
山伏と僕
坂本 大三郎 リトル・モア
「山伏」というと、ほら貝片手に山奥を歩き回って修行する人、というイメージしかありませんでしたが。
坂本さんはイラストレーターとして仕事をしている方ですが、方や「山伏」としての活動もなさっています。何と、「山伏」の多くの本職は会社員やらその他一般的な職業に就いている方なのだそうですよ。
そもそも山伏の歴史はかなり深く、何万年も前にさかのぼるのだとか。古くは自然界の様々なものに宿る精霊などを崇める自然崇拝的な信仰だったそうで、現代にいたるまでの過程で神道や仏教などと混ざって今の形になったそうです。
この本では、坂本さんが山伏の修行をしようとしたきっかけや、坂本さんが体験した山奥での山伏修行、そしてそこで感じたこと、修行が終わって何かが変わった様子などを、親しみやすい穏やかな語り口で綴ります。
「山伏」の修行がどんなものか知らない、私たちのような普通の人たちにも分かりやすいように、時おり絵も交えながら詳しく説明してくれます。
最後の方で語られる、坂本さんが感じた、「無意味」の発見、身の回りにあるもの一つ一つに感動を覚える感覚。これを「覚醒」と言っていいのでしょうか。
坂本さんはまだ若い方ですから、これを読んだ、特に「若い方」たちは、一度山伏修行をしてみたい、と思うかもしれませんよ。私もやってみたいと思ったくらいですから。
何か、日本人というものを再発見したような気持になりました。
2013-2-17
カテゴリー:日本の文化と歴史/宗教・信仰
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