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#237

救いとは何か

森岡 正博 山折 哲雄 筑摩書房


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 仏教を信じる宗教学者の山折さんと自ら宗教を信じていないと言う哲学者の森岡さんの対談。

 『「殺すな」の思想を問う』『魂、そして死について』『限りある命をどう生きるか』『「個人の幸福」と「全体の幸福」』『救いとは何か』というテーマで、それぞれの思いをぶつけ合います。

 これらのテーマについては、犯罪や災害、社会不安など現代の様々な問題に囲まれた中で生きていく上で、誰しも一度はふと考えたことがあるのではないでしょうか。

 そこに結論はありませんし答えも無数にありますが、この対談を読んで「自分もそう思う」「自分だったらこう考える」と考えながら読んでいくと考えを深めることができます。

 山折さんと森岡さんの対談は、あるときはお互いに共感し合い、あるときは意見をぶつけ合うという掛け合いが面白く、それらの意見を聞きながらいろいろ思い巡らす自分に気づきます。

 これは私の偏見ですが、どっしりとした仏教信仰の元に柔軟に自分の意見を述べる山折さんに安定感を感じたのに対し、森岡さんは、ある時は山折さんにちょっとした挑戦状をたたきつけ、ある時は自分の中で考えを巡らせて揺れ動いているような不安定さが対比的に見えました。
 しかしこれは同時に、宗教を信じない人なりの素朴な意見であり、宗教を信じる人には新鮮に感じる面もあり必要なことでしょう。

 シンプルなテーマなのにどんどん底なし沼にはまっていくような感覚に陥ります。

2013-4-11

カテゴリー:宗教・信仰思想・哲学・心理

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