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#314
食の戦争
鈴木 宣弘 文藝春秋 (2013)
この本に綴られているのは、いろいろな圧力や影響で翻弄され、社会から大きな影響を受けている日本の食の危機。
食の自給率低下、BSE(狂牛病)問題、遺伝子組み換え(GM)食物、残留農薬、TPP、などなど。
日本の食は、政争の具とされ、農業の効率化で生み出された「商品」とされ、大手食品メーカーの「製品」として変質され。
人間の生命の源でもある「食物」がこれほどまでに自然な姿からかけ離れた時代も、かつて無かったでしょう。
そんなことを知っててあえて受け入れる人はいいと思いますが、ほとんどの人は、この「食」の現実を、知らないのではないでしょうか。
何よりも驚いたのは、日本の農産物の関税が高く過保護と言われていたのに、実は他の国の方がそれ以上に自国の農産物を保護しているということ。
「食」は国を守る最後の砦という認識があるのでしょうか。
この本を読んで、本当に日本人は、食についてどこまで能天気なのだろうか、と思ってしまいました。
TTPが批准されれば、日本人の胃袋は他国に握られ、他国の圧力に従わざるをえなくなってしまうでしょう。
2014-3-3
カテゴリー:食と農/世界の社会問題
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