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#320

国家のシロアリ 復興予算流用の真相

福場 ひとみ 小学館 (2013)


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 東日本大震災被災地の復興のために設けられた「復興税」。
 復興税により確保された復興予算が、被災地とは全く関係の無いところで使われていた、ということが新聞でも話題になりました。

 新聞等では被災地とは関係の無いところで復興予算が使われていたことを「横流し」として指摘しましたが、驚いたのは当の官僚たちはこれを横流しという自覚が無かった、ということでした。

 福場さんが取り上げた「横流し」の一例。
 金融庁職員の基本給・子どものための金銭の給付(子ども手当)・共済組合負担金・国立大学運営費交付金・検察運営費・アジア大洋州地域外交・荒川税務署他2件の庁舎整備・日本社会事業大学の改修費用・小笠原諸島の振興開発事業費・北海道開発事業費・・・

 被災地復興とどんな関係があるのか?と首をかしげたくなるような驚くべき内容ですが、これがまかり通るカラクリは、復興基本法の中で、この法が「被災地の復興」ではなく「東日本大震災からの復興」のためにあることが示されていることにあるようです。
 被災地ではなく、東日本大震災に関わる事業であれば、復興予算の対象になり得るのです。さらにいえば、東日本大震災の痛手から日本が癒されるように、将来東日本大震災級の災害に備えて、・・・と、いくらでもその理由をつけることができるという、言葉のマジック。
 しかも当の被災地にはそのほんの一部しか予算が回って来ない・・・

 福場さんは、各省庁からすると復興特別会計は、美味しいボーナスだった、と述べていますが、被災地復興のためには仕方ないと復興税を認めた国民にとっては、人の善意につけこんでだまされたという気持ちになります。

2014-5-26

カテゴリー:政治と行政日本の社会問題

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