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#362
あしたから家族 あたらしいふれあい 第4編
家庭養護促進協会編 明石書店 (2014)
実親と暮らせない子どもが乳児院や児童養護施設ではなくなるべく里親の元で暮らせるよう里親開拓を進める大阪・神戸の民間団体・家庭擁護促進協会の会報誌に載せられた、里親・里子生活の様子を綴ったレポートをまとめたものです。
里親のもとで里子が暮らし始めて親子としての関係をつくりだしてゆく様子、親子として信頼しあえるようになるまでの親子それぞれの葛藤、里親が里子に実の親が別に居ることを伝える「真実告知」をするまでの里親の迷いや告知を受けた里子の反応、など、里親になろうとする人、今現在里親である人にとって、多くの様々な里親・里子関係の実例が収められたこの本は、今後里子を育てる上でとても参考になると思います。
実に様々な境遇の中で実親と離れ、多くの大人たちの元を経ながらようやく安らげる場となる里親の元に来た里子たちは、その多く場合里親と里子の双方が親子関係を作り上げるのに苦労しながらも信頼できる関係に発展してゆきますが、せっかく縁がありながら残念ながら養育を断念せざるを得ないケースもあり、本当ならばそもそも子どもたちがこのような境遇に会わないようにしなければならないのにと思いつつ、それでもやはりこのような子たちがいる限りなるべく子どもが早いうちから里親のもとで暮らし家庭生活を経験することが必要なんだと思いました。
最後の「親の言い分、子の言い分」の章は、里親として、里子として生きてきた人たちのそれぞれの思いが綴られており、心に響きました。親子関係とは自然に作られるものではなく作り上げてゆくものなんですね。
「子どもは自分が生まれたことに責任がない」・・・そう、だからこそ大人が責任を持って子どもを支えなければならない。
親としてこの言葉はずしりときます。
多くの里親里子の思いがぎゅっと詰まった本です。
2015-2-24
カテゴリー:暮らしと子育て/福祉
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