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#361
ふしぎな国道
佐藤 健太郎 講談社 (2014)
「国道」というと、県をまたいでつなぐ、交通量も多く比較的高速で走れる幹線道路、というイメージですが、そんなイメージから外れた「型にはまらない」面白い国道の姿を知ると、「国道」というのも味わい深いものだと思ってしまいます。
主に地名から名付けられた鉄道線に対し、国道というものは名称が単なる「数字」であることからして何となく素っ気ない印象がありますが、佐藤さんが掘り起こした国道たちはそんな国道への先入観を吹き飛ばしてくれます。
わりと広く知られている青森の「階段国道」をはじめ、その他にもアーケード街を抜ける国道、山で車道が途切れて登山道のごとく続く国道、港で行き止まりになる短い国道(しかし実際は対岸をつなぐフェリーも含めて「国道」であるらしい)、などなど、実に様々な姿があるのだなと感心します。
「国道」というものが国で定められた全国統一の規格であるからこそ、そこからはみ出てしまう「隠れキャラ」的存在にグッときてしまうのでしょうか。
その他、国道の路線番号の付け方や、路線番号を示す標識・通称おにぎりのいろいろな姿や間違い探しの紹介、さらには現存の国道に飽き足らず、以前国道だった「旧道」の探訪など、へーと思うような予備知識や楽しみ方などが楽しく、あっという間に読めてしまいます。
この本をひととおり読むと、車で旅行に行くときなどに、今までは退屈な「単なる道」だったあちこちの「国道」もそれまでと違って見えて楽しめそうです。
2015-2-17
カテゴリー:交通
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