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#63

常田健

常田 健 角川春樹事務所

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 主に東北の農民を描いた画家さんの画集です。

 ページをめくっていくと、農村で種まき、収穫など労働に勤しむ人たち、労働の合間に昼寝をして体を休める人たちなどが描かれています。今まで「農作業の合間に昼寝をしている人の絵」というのは見たことが無かったのでどこか新鮮に感じました。
 その筆遣いはやや粗く、ごつごつした感触があり、それが労働や生活の厳しさを十分に表現しているのですが、どこか暖かく、人間くさい印象をあたえます。大地と一体になっているような、人間も大地の一部であるような、そんな感覚。

 また、説明が無いのでわからないのですが、おそらく戦時中の様子と思われる、戦闘機からにげまどうような絵や手錠をかけられた人の絵などもあります。

 本来「仕事」や「労働」というものはこういうものであったのでしょう、黙々と作業をこなし、くたびれては休み、皆で助け合って生きる姿。
 当人たちはもしかしたらこんな生活はもう勘弁と思っていたかもしれませんが、それでもそんな労働をしてきた人たちをこの絵を通して見て、敬服の念を抱くのです。


2011-11-13

カテゴリー:画集・作品集

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