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#53

将来日本の食卓は遺伝子組み換え作物で占められるかもしれない。


2012-9-23


 UPLINKで映画「モンサントの不自然な食べもの」を観ました。

 モンサントというのは、アメリカ合衆国を拠点とするバイオ科学の多国籍企業「モンサント社」です。
 これまでPCB、枯れ葉剤、牛成長ホルモン、遺伝子組換え作物などを開発してきました。
 それぞれ健康障害への疑いありとされてきたものばかりですが、この映画で印象的なのは、その「モンサント」という会社の企業姿勢でしょう。それは映画の中でも語られた「1ドルたりとも、儲けを失ってはならない」という言葉に集約されるのです。

 この映画の中で、ジャーナリストのマリー=モニク・ロバンさんは、様々な人たちにインタビューを試みます。
 元FDA(アメリカ食品医薬品局)の幹部、モンサント社の遺伝子組み換え作物の安全性に疑問を持ちそれを論文で明らかにした人たち、モンサント社の種を購入し栽培した農家、そしてアメリカ国内だけではなく、既にモンサント社の作物の栽培が広まってしまったメキシコ、アルゼンチン、インドなどの農家、など。

 このモンサントの製品の安全性に疑問を持ち、健康への障害の可能性について研究・発表しようとした人はほとんど、会社や研究所を解雇、業界からも締め出されるなど、不当な仕打ちを受けているようです。
 公的機関であるFDAでさえ、食品添加物の審査基準はあるのに遺伝子組み換え作物は「実質的同等性(これまでの自然のままの作物と同等である)と見なされ審査はほぼスルーといった有様。
 それには、「回転ドア」と呼ばれる、大企業からの多額の献金により、業界の人間が政権と行ったり来たりする慣習があり、この政界と業界の癒着の影響によるものと映画からは伺えます。

 モンサント社の遺伝子組み換え作物の種は、契約によりすでに栽培した作物から種を採って次の年に蒔くことができません。そして、その作物の種とセットで、農薬の購入が契約で義務づけられているようです。

 アメリカでは、遺伝子組み換え作物を栽培していない農家の畑の作物が、近所の遺伝子組み換え作物を栽培している農家の花粉と交雑、それを「勝手にモンサント社の作物を栽培している」と訴訟を起こされる事件が頻発しました。
 農家は訴訟で財産ばかりでなく人付き合いなど様々なものを失い、長い裁判に疲れ果て、しぶしぶ和解に応じることも多いとか。

 一方、インドでは種会社がつぎつぎとモンサント社に買収され、綿農家はモンサント社の種を使用するしか選択肢が無く、その高いライセンス料にもちこたえられず、自殺が相次いだそうです。弱小農家が多国籍企業相手に訴訟という負け戦をしかけることもできません。
 そして、メキシコ。様々な伝統種のトウモロコシを農家は代々育て受け継いできましたが、国内の畑にモンサント社のトウモロコシが広まり、その種との交雑を懸念しています。
 小規模の農家が多かったこれらの国では、各農家が高いライセンス料を支払えず、大規模農場に集約される傾向があるそうです。

 インタビューされた人たちが共通して語っていた言葉、それが「モンサントは世界の食料を支配しようとしている」という言葉でした。

 私たちは、遺伝子組み換え作物について、気にしていたでしょうか?
 スーパーに並ぶ食品のウラを見ると、例えば「大豆(遺伝子組み換えでない)」などと書いてありますが、この表記は日本で混入率5%、EUで0.9%と、日本は甘々です。
 しかし、アメリカの場合は表記してはいけないことになっているそうです。
 ですから、仮に日本がTPPに参加した場合、日本はISD条項によりアメリカから食品への「遺伝子組み換えでない」という表記の撤廃と遺伝子組み換え作物のさらなる受け入れを要求される可能性は十分にあるのです。

 自分たちが食べるもの、実はどうなっているか。肝心なことはテレビや新聞では教えてくれません。
 もし将来、私たちの食べものが全て「遺伝子組み換え作物」しか選択肢が無かったら、どう思うでしょうか。
 私たちの子孫の世代のためにも、食べものについて、もう少し気にしてみましょう。 

 最後に、パンフレットに載っていた気になる一文。
 「Friends of the earth による1999年の報告でイングランドのバッキンガムシャー州ハイウィコムにあるモンサントの製菓工場内の社員食堂を運営している会社は、従業員に提供する食事には遺伝子組み換え食品を一切使用していないと、発表されました。」

 「モンサントの不自然な食べもの」  http://www.uplink.co.jp/monsanto/



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