#152
国東半島で、いろんな「作品」をみた。
2014-12-1
先週でしたか、国東半島芸術祭に行ってきました。
国東半島はじっくり見てみたいと思っていたところで、時間が取れたら2〜3日かけて回ってみたいと前々から思っていましたが、今回はこの芸術祭目当てで日帰りで。
スタッフの方に聞きましたら、この芸術祭は今回初めてで、3年前から準備してきたとのこと。
今回1回限りになるか、第2回も行うかどうかは未定とのことで、今回の様子を見て検討するのでしょうか。
車で朝早く出発し8時半頃には到着しました。
最初は宮島さんの作品から見ようと思って行ってみましたが、あまりお客さんも来ておらず、このイベントはあまり認知されていないのかな?と思っていたら、次に移動しようとする頃になって団体を載せたツアーバスやら乗用車やらが次々に。
私たちが着いたのはちょっと早目だったようです。
お客さんはどの辺りから来ているのかなと思って車のナンバーを眺めてみましたら、地元大分がダントツですが、福岡・久留米・北九州や熊本、鹿児島あたりのものもちらほら。関東からの強者も。
大分の車はレンタカーも多かったので、列車やバス、飛行機などで来てレンタカーで回ったのでしょう。(ちなみに宮崎ナンバーの車は見かけませんでした。隣の県なんですけど。)
宮島達男 Hundred Life Houses
岩場に取り付けられた100個の「家」。
「家」の形をした箱の一つ一つは一桁のLEDデジタルカウンターで、
青・赤・黄の3色。
しかし、その1つ1つは皆、違っていました。
カウントダウンするもの、カウントアップするもの。
数字が駆け足のように変わるもの、ゆっくりゆっくり変わるもの。
人の暮らしは、数字のカウントではない。
しかし、この途方もない時間によって作られた地球の皮膚であるこの岩場から見たら、
人の暮らしは数字のカウントに見える、のかも。
アントニー・ゴームリー ANOTHER TIME XX
作品のすぐ近くまで車で行くこともできたのですが、
ゴームリーさんがこの作品をつくるに当たって歩いたという、
旧千燈寺山門からの参道をたどってみることにしました。
片道1時間、ちょっとしたトレッキング。
苔むす参道、そして紅葉がきれいでした。
ここが旧千燈寺、そして残された仁王像。
一枚岩に浮き彫りにされた珍しい像だそうです。
奥の院のお堂の中の百体観音。
本堂脇の岩壁にも、彫られていました。
五輪塔群と呼ばれる、無数の仏塔。
鬼が造ったとか。
ムスメは「これも作品?」と。
そうだね、確かにある意味「作品」だ。
参道を登り切り、山への登山口の不動茶屋までたどり着くと、
山の向こうに人影が!
この山の上に立つ方。
アントニー・ゴームリーさん。
・・・
ではなく、アントニー・ゴームリーさんを模した彫刻。
と言っても、
これです。
↓
ハダカです。
男一人、山の上でハダカで立つ。
これは、ゴームリーさん自身を型にとり、鉄を流し込んで造った、
言わばゴームリー人形。
ゴームリー人形が眺めるその視線の先には、
国東の豊かな森と、彼方に伊予灘。
このプロジェクトが決まり、実際にゴームリーさんが来日したとき、
旧千燈寺山門から歩き、山を歩き回り、ここしかない、と決意したそうです。
しかし、ここまでゴームリー人形を上げるのが重すぎてムズカシイ(約600kg)。
一時は自衛隊のヘリが、練習も兼ねてゴームリー人形を上げる予定が、
実際に現地を見て危険と判断、断念したとか。
そして考えだされた方法が、ワイヤーを渡してロープウェイのように持ち上げること。
そこで、造られた
この、コンクリート製ゴームリー人形。
重さは作品と同じ。
これをつり下げて、うまく運べるかどうか、
何回もテストしたそうです。
設置された場所が修験道に当たるらしく、
ハダカを模した彫刻ということもあり、
設置する時にちょとした論争があったそうですが、
観光客には好評だそうです。
でも今後残すかどうかは未定だとか。
残して欲しいなあ。
また山門から登って、
来てみたいです。
川俣 正 説教壇
およそ500年前、
聖地エルサレムまで航海した、この地出身のキリシタン、
ペトロ・カスイ岐部。
日本人として初めて聖地エルサレムを巡礼された方だそうです。
もともとこの集落には、多くのキリシタンが暮らしていたとか。
そのペトロ岐部の航海ルートを模した木デッキが、
樹林の中を巡っていました。
「説教壇」という作品名ですが、
森の中の小さな教会のようでもありました。
樹林の空中を巡る道は、まさに航海。
道のうねる様は、荒波を行く船のよう。
デッキの先の辺りからは、海が見えました。
そしてそのペトロ岐部の航海ルートが、
こちら。
ちなみに、ペトロ岐部はこんな人です。
ペトロ岐部を記念した小さな聖堂が近くにありました。
2008年に、昔の他の187人の殉教者とともに列福された
ペトロ岐部の故郷は
小さな静かな港町でした。
チェ・ジョンファ 色色色
ピラミッドのようなこの展望台
ピラミッドの足下に植えられたお花もきれいでしたけど、
ここから見渡す景色もきれいでした。
ここからは、長崎鼻と呼ばれる岬が見渡せます。
岬には遊歩道があって、
観光スポットのようです。
手前のお花、
もうちょっとボリューム欲しいなあ。
西の方を見ると段々畑が広がりますが、
水平線広がる大地は、北海道のよう。
もう夕方だったからちょっとダークな色でしたけど、
明るい日差しの青空の元では
また違った色が見えるのでしょうね。
チーム・ラボ 花と人、コントロールできないけれども、共に生きる ーKunisaki Peninsula
工場だった建物、その暗闇の中、
四方の壁に四季折々の花が咲き乱れます。
壁際に行くと自分の影が出来るので、
ムスメは壁に影を映しては喜んでましたけど、
まるで宇宙にでもいるようですね。
あまりにも鮮やかすぎる花々、
そして人工的に咲いては散る生命の幻影。
目の前の真玉海岸は、干潟のようなきれいな海岸でした。
アートと、国東半島の豊かな自然と歴史と、
一度に二つ楽しめたような、
得した気分でした。
残念ながら11月30日で終わってしまいました。
ウェブサイト→http://kunisaki.asia
またやらないかな。
今度はゆっくり見たいですね。
帰りは別府に寄ってひとっ風呂浴びて。
地元の人が利用する温泉。
脱衣所と浴場の境壁が無くてムスメがびっくりしてました。
気持ちよかった!
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