#154
クリスマスイブの夜、娘が洗礼を受けた。
2014-12-30
今年のクリスマスイブの夜、娘が洗礼を受けました。
娘の洗礼はずっと前からの願いでした。
私自身がクリスチャンであるから、ではありますが、今は私たち夫婦を親として慕ってくれる娘も、大人になり自らの生い立ちのことについて見つめたとき、私たち夫婦から心が離れるかもしれない。
でも、洗礼を通して「神への信仰」を深め、自身の拠り所にし、自らの生き方の芯としてゆけば、娘はしっかり生きていけるだろう。
そんなふうに思ったからでした。
でも二つほど、壁がありました。
一つは、娘が私たちの籍に入るまで待たなければならないということ。
さすがに、里子という「実の親から預かった子ども」を勝手に受洗(洗礼を受けること)させるわけにはいかず。
もう一つは、妻子と私が宮崎・埼玉と、離れた場所で生活していたこと。
そして、昨年の娘との養子縁組、今年4月の私の宮崎への移住によってこの二つの壁は無くなりました。
宮崎に移り新しい教会に通うようになって半年ほどたったころ、神父に娘の洗礼について相談しましたらクリスマスイブのミサにて授けてくださるとのこと。
娘に聞きました。
「洗礼受ける?」
「洗礼ってナニ?」
「神様ともっと仲良くなることだよ(ちょっと適当・・・)」
「洗礼受ける!」
「洗礼名、どうしようか・・・洗礼受けるときはね、洗礼名と言って名前をつけるんだよ。埼玉のおばあちゃんはね、マリアって言うんだよ。マリア様のマリア。」
「マリア様がいい!」
・・・という具合で娘の希望は「マリア」となりました。
うちにあるマリア像をよく抱っこしたりほおずりしたりしてたので娘の「マリア様」好きを感じてはいましたが、ここまで喜ぶとは。
しかも「大きくなったらマリア様になる!」とまで申しておりました・・・
私の父母が娘にマリア像をプレゼントしてくれました。
わが家にもう一つマリア像が増えました。
主イエスの降誕のお祝いというおめでたいこの夜に、受洗できるという幸せ。
私より先に妻と娘がお知り合いだったRさんに代母さんをお願いしましたら、快く引き受けてくださいました。
娘に「お母さんが3人になるねえ」と言ったらずいぶんと喜んでいました。
実のお母さん、育てのお母さん(妻)、信仰生活の中で関わってくれる心のお母さん。
Rさん・息子さんのN君からいただいたアドベントカレンダー。
クリスマスまで、その日の日付を剥がすといろいろな絵が表れます。
「あと○回寝たら洗礼うけるんだよね!」
剥がすのが娘の日課になりました。
クリスマスイブのミサは多くの人が集まり、その中で洗礼式が行われました。
祭壇の前で、親として子どもへの「悪」や「誘惑」を退け、信仰を深めるよう親としての務めを果たすことを誓った後、娘は神父より頭に聖水を注がれました。
そして代母さんからヴェールをかけてもらい、神父から火の灯ったろうそくを手渡され、娘は洗礼名の「マリア」を授かりました。
普段はミサ中でもいたずらし遊んでばかりいる娘ですが、この時はしっかりと神父の言葉を聞いていました。
本当に嬉しかったですね。娘もこんなに多くの人たちの前で待ちに待った洗礼を受けることができて、想い出深い出来事になったのではないかと思います。
N君から娘に絵本のプレゼントがありました。
N君はお母さんから買ってもらうおやつを少し我慢して、その分のお金で娘に絵本を買ってくれたそうです。
何と嬉しいことでしょうか。
この9ヶ月、新しい教会にも親子共々徐々に馴染み、娘は多くの方々に可愛がり、見守っていただきました。
ありがたいことです。
そしてもし来年、私たち夫婦が里親として認定が決まり、新しい里子がうちに来るようなことがあれば、同じように教会と関わりつきあっていけるようにしてあげたい。
初めての新しい教会でのクリスマス。
心にじんわりしみるキャンドルサービス、イブのミサ、子どもたちの聖劇や若者たちの歌などが披露されたミサ後の楽しいパーティなど、ボリュームがあって感動的なイブの夜でありました。
「ベツレヘムの星」はいつまでも夜の闇に輝きつづけていました。
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