#169
なぜ彼女はストローが欲しかったのか?
2015-5-28
とある日。
豆乳の紙パックについているストローをはがし、「ストローもっと無いの?」と妻にせがむ娘。
コップに水を入れ、手に入れたストローで、太い口から吸ったり、反対側の細い口から吸ったり。
妻から、もう一つもらってました(ストローだけ)。
そして言い出したのは「ねえ、ストロー買って来て」。
妻と私は「そんなの、いらない」と口を揃えて返事します。
それにもめげず「ねー、ストロー買ってきてよー」とお願いする娘。
「買わない。」
娘は使っていない方のストローを「これ、取っておこう」と、大事にしまいます。
そして先に使っていたストローでチュウチュウしながら「学校で牛乳、ストローで飲むんだよ」と。
・・・理由が解りました。娘がストローを欲しがっている理由が。
うちの娘は訳あって学校の給食では牛乳を飲まないようにしてます。その代り、家からお湯とかお水とかお茶とかを、水筒に入れて持っていくのですが、学校では給食で毎日パックの牛乳が出るらしく、それを皆、ストローを挿して飲んでいるらしいのです。
毎日それを見ている娘は、それが羨ましかったのでしょうね。
「じゃあ、おとーさんが明日買ってくるよ」
「・・・ホント?じゃ、忘れないでね」
「忘れないよ」
「手に書いておいてね、忘れないように」
「・・・恥ずかしいから手には書かない。」
***
次の日、ストローを買って帰りました。
一袋40本入り。いろんな色のストローが入ってます。
せいぜい70円くらいでしたが、親は、子どもがねだるものが、親から見てばかばかしくて価値のないものと判断してしまうと、何で即座に「いらない」と言ってしまうのでしょうね。反省すべき点ではあります。
買ってきたストローを渡したとき、娘が満面の笑みで喜んだこと喜んだこと。
コップにお水入れてぶくぶくして飲んだり(まあ、いいか・・・)、お風呂で水鉄砲みたいにして使ったり(おーい、お風呂のお湯、飲むなよ・・・)、あげくの果てに夕食の時におそばをストローでちゅるちゅる(おーい、よその家でやるなよ ! )。
昔、里親研修で「やるだけやって満足したら、やらなくなる」と、どなたかが言っていたのを思い出し、渋い顔をしながら見てみぬふりをします。
こうやって子どもは、いろいろなばかばかしい体験をして、豊かな感性を身につけた大人になっていくのだ、と、思いながら。
娘・作 ストロウの華
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