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#103

食いしん坊の虫

2013-5-26

 先日、こんなことがありました。

 家族で都内の水族館に行ったのですが、建物の入口に向かう途中でムスメがいきなり「ねえお母さん、ソフトクリーム食べたい」と言い出すのです。ふと向こうを見ると、園路脇の売店の前に、大きなソフトクリームのハリボテが。

 お魚見に来たのにその前にソフトクリームか?・・・知らんぷりして夫婦で水族館の入口に向かいましたが、それがその後ずっと尾を引くことに。

 水族館の中でいろいろ水槽の魚たちを見てまわりますが、ムスメはことあるごとに「ねえ、あとでソフトクリーム1コたべる」と。
 もちろんお魚も見て回りましたが、一段落つくと「ソフトクリーム・・・」の言葉が出ます。ムスメの頭の中はソフトクリームしか無いようです。

 私は、カミさんが水族館を出たら買ってあげると約束したと思い込んでいたので「終わったらね」と言い続けていましたが、あまりにも何回も何回も言うので、ついに「何しに来たの?お魚見に来たんでしょ?ソフトクリーム食べに来たの?お魚見に来たのにソフトクリームソフトクリームってずーっと言われたら父さんは楽しくない!」と怒ってしまいました。
 ムスメはぎゃんぎゃん泣き出し、「だってソフトクリーム1コ食べたいんだもん!」と主張。

 展示も順路の最後の方だったのでそのまま出てきましたが、カミさんが「もうしょうがないよ・・・半分だからね」ということでソフトクリームをムスメに買い与えました。

 で、半分ね、という約束でムスメは念願のソフトクリームを食べ始めましたが、見ていると「半分」という話しは何処かへ行ってしまったらしく、「半分って約束だからちょうだい」とカミさんが言ってもムスメは「ヤダ」。
 今度はカミさんが「半分って約束だったでしょう」と怒りだしました。

 またもやムスメはぎゃんぎゃん泣き出し、でもソフトクリームは離さず、舐めては泣き、舐めては泣き・・・

 私はカミさんが、水族館を出たら1コ買ってあげると約束したと思い込んでいましたが、実は1コは大きすぎるので半分ならいいと約束していたようです。

 父と母にこんこんと説教されたムスメは泣きながら突然言った言葉は「もうソフトクリーム食べません!」

 はっとしました。
 私たち夫婦は「子どもにこんなこと言わせていいのか?」という気持になり、二人で自己嫌悪に陥ったのでした。

 駅へ向かって歩きながら夫婦で反省会。
 私はカミさんが、終わってからなら1コ買ってあげると約束していたものだと思っていたのでそのつもりでムスメに接していましたし、カミさんは水族館の中でムスメに「半分なら」という約束を歩き「ながら」したせいか、ムスメには「約束」という認識がなかったようです。

 「子どもの頭越しに話しをしても子どもは聞いていない」と藤井先生が話していたのを思い出しました。
 「歩きながら反省会の」結論としては、立ち止まってムスメとしっかり向き合って、「水族館が終わってから、半分ならいい」という約束をしっかりとするべきだった、ということになりました。

 親として子どもが好きなものは食べさせたいという気持はありますが、子どもは好きなものは際限なく食べます。
 だから我が家では「おなかに聞いて食べなさい」という、私が親から子どもの頃に言われ続けた言葉をムスメにも言っているのですが、ムスメは「うん」といい返事をしながら食べ過ぎることがあります。頭では分かっていても自制が効かなくなるのでしょうが、そうすると決まって夜中におなかが苦しいせいで悪い夢を見るのか、夢にうなされたり突然泣き出したりしたり、とにかく睡眠が浅くなりがちだし体にも良くない。

 だから、子どもが好きな食べものをどれだけ与えるか?というのは、とても難しい。

 例えば、何かのイベントでお菓子セットなぞをムスメが貰うと、それはもう、宝物を貰ったかのようにうれしそうにするのです。
 それは彼女がもらったものだから親としてはあまり口出しをしたくないのですが、でもやっぱり心配。ご飯の前にお菓子を食べられると、ご飯を食べなくなってしまう。だから我が家ではご飯の前はダメとか、ご飯の後にこれだけ食べたら次はおやつの時間にこれだけ、とかアドバイスするようになったせいか、最近ムスメはおかしを1コ1コ取り出しては、これ食べていい?とかいちいち聞くのです、親に。

 こういうのはあまり良くないなあ、と思ってます。おやつを食べるのに子どもがいちいち親に聞くのは健全とは言い難い。かといって欲しいと言うだけ食べさせることはできない。

 最近は「どれだけ食べるか、自分で決めてごらん」と一応言ってみることにしました。まあ結局その後、親がそれは多すぎるのじゃないかとか言うこともあるのですが、なるべく自分で決めるという方向に持っていきたい。

 (好き嫌いは多いですが)食べるのが大好きなムスメには、どれだけあげればよいか、どういう配分をすればいいか、どんな言い方をすればよいか、といつも悩みます。

 親と食いしん坊のムスメとの駆け引き。いつもどちらも真剣勝負です。



カテゴリー:こどもとともに

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