#205

　Chim↑Pomは６人組のアート集団。

　一見彼らの芸術作品は、思わず眉をひそめてしまうような、例えて言えば、中学生か高校生が企てる悪戯や悪ふざけにのように見えます。
　勢いにまかせた素人っぽいノリが魅力ですが、その作品の多くには、社会問題を喚起するメッセージが含まれています。

　「アイムボカン」ではカンボジアに行って地雷問題についてとりあげ、チャリティー企画で作品を発表し、「ヒロシマの空をピカッとさせる」では原爆問題を取り上げています。
　　また最近では、福島第一原発事故発生後、メンバーの一人が福島第一原発の作業員として働き、そこで「レッドカード」という作品を仕立てました。その際原発作業員として現地で見たものについて語ったトークショーについての記事「フォトジャーナリスト小原一真氏とアート集団Chim↑Pom水野俊紀氏が見た福島第一原発の作業現場」を書きましたのでご覧下さい。

　そんな彼らの、これまでの活動を集めた作品集。

　といっても、彼らの作品はこのような「本」に収まるものではなく、本よりはむしろDVDなどの動画で見るのが適していると思いますので、この本は言うなれば、彼らの作品の概要を紹介する「カタログ」のようなものでしょうか。

　しかし、そんな「カタログ」的な本でも十分刺激的で、「これ、本当にいいのか？」と思わせるような内容も掲載されており、見る人の好みがはっきりと分かれやすい内容ですが、もし興味があれば、どこへ向かうか検討もつかない彼らの作品をもっと見てみたいと思うではないでしょうか。

2013-1-14
カテゴリー：画集・作品集

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