#127
暴走する原発 チェルノブイリから福島へ これから起こる本当のこと
広河 隆一 小学館
広河さんはチェルノブイリ原発事故の後からずっとチェルノブイリとその周辺地域、さらには他のヨーロッパ地域を取材し、「チェルノブイリから広島へ」という本やその他多くの著作で報告しています。
この本では、福島第一原発事故をチェルノブイリ原発事故に照らし合わせ、そのチェルノブイリ原発事故における政府の対応や周辺住民の暮らし、健康などを時系列に述べていっています。
福島第一原発事故は発生からまだ1年ですが、その様子はチェルノブイリ原発事故の初期の状況とさほど違わないことが分かります。
政府の対応、健康への対策、住民の意識、などなど。
そこからすると、福島第一原発の今後がおのずと予想されるというものです。
汚染のひどい地域の放棄、食物による被曝との攻防、小児甲状腺がん等の健康障害の増加、そしてふるさとに帰れない避難民。
いまの日本が参考とする事例はこのチェルノブイリ原発事故なのに、不思議とマスメディアからはその情報が紹介されません。明らかに、福島第一原発事故はチェルノブイリ原発事故とは別物との解釈なのでしょう。
チェルノブイリ原発事故を知らずして福島第一原発事故の解決は先に進まないでしょう。広く知られるべき本だと思います。
2012-4-11
カテゴリー:原爆・原発・原子力/暮らしと子育て/日本の社会問題
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