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#128

暇と退屈の倫理学

國分 功一郎 朝日出版社


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 久々にちょっとムズカシイ本でしたが、なかなか面白いものでした。

 暇と退屈。それは人類が定住して生まれたもののようで、遊動生活では新しい環境に適応するために使われた能力や時間が、定住により不要になるので暇も退屈も作れるようになった、ということのようです。

 20世紀になり暇が大衆のものになると、暇を作ることが目的化され、いかに退屈しのぎをするか、というのが重要になってきた、と。
 本来ならば暇は好きなことをするためにふさわしい時間だったはずなのに、その暇をつぶすために好きなことをしなければならないという概念に束縛されてしまうという、本末転倒な生き方が一般的になってきてしまったわけです。

 退屈するのは人間だけで他の動物は退屈しないらしい。
 退屈することもしないことも出来る、人間に与えられた自由。もちろん、その自由を享受できない人たちもいるが、人間は暇という概念から自由になる思考が与えられているにもかかわらず、それが生かしきれていない現代の世なのだなと改めて思うのです。


2012-4-17

カテゴリー:思想・哲学・心理世界の文化と歴史

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