ツブヤキ#228
由布岳に行きました。
娘のギブアップにより途中で登山を断念した巻機山。
不完全燃焼のもやもやが消えないままでしたが、ここで仕切り直し。
娘からはもう山はいやだと宣言されてしまったので、一人で行くことに。
山に行くと娘に言ったら「行ってらっしゃい」との返事。
まあ一人のほうが自分のペースで登れるのでかえって気が楽ではありますが。
夜中の3時に起きるつもりでしたが2時に目が覚めてしまい、もうそのまま行ってしまおうと、2時半に出発。暗闇の中、国道10号を北上し、7時前には駐車場に着きました。
もうその頃には無料駐車場はほぼ満車。
しかし!何とか狭い隙間を見つけ、もぐりこむことができました。軽自動車の特権ですね。
登山口を少し入ると、形のよい由布岳の全景を眺めることができます。
朝の光がとてもきれいで、うっとりします。
周囲を見渡しながらしばらく歩き、ちょっと後ろを振り返ってみました。
きれいな朝の光!
逆光で照らされた草がきらきらして、しばらく立ち止まってしまいました。
ところどころに背の低い柏の木が立っていました。とてもかわいらしい。
さて、山の裾にたどり着くと、森の中へ。
なぜかベンチのフレームがありました。座板は朽ちてしまったのでしょう。
雑木の森の中を、どんどん登っていきます。
それほどきつくもない、気持ちのいい山道。
1時間くらい歩いたでしょうか、道の向こうに眩しい太陽の光と小さな空が見えて・・・
ここを抜けると・・・
突然周りが開けて、すばらしい眺めが!
湯布院の街も見えました。
ふと反対側を見上げると、二つの山が。左が西峰の、右が東峰の端の部分、その間の窪みは二つの峰への道の分岐点・マタエでしょう。
道を遮るように斜めに伸びた木の枝に吊り下げられた、コレ。何でしょうか?
まるでのれんのようです。「いらっしゃい!」と言われているよう。
山の花たち。
シオン(紫苑)。
たぶん・・・ヤマラッキョウ(山辣韮)。
アザミ(薊)ですが、何アザミだろう?
ヤマハハコ(山母子)。
ようやく西峰と東峰の分岐点、マタエに到着し、まずは最高点がある西峰に登ってみることにします。
それまでの穏やかな山道から一転、這いつくばるような急な岩場。
こりゃうちの娘が登るには難しいかも、連れてこなくて正解だったかな・・・と思いながら、両手で岩にしがみついて、一歩一歩上がります。
登ること約15分、西峰の山頂に到着!
そこかにはすばらしい眺めがありました。
足元に湯布院の街、雲の彼方に九重の山々。
今度はあそこに登ってみたいなあ。
左側に目を移すと、東峰は雲に浮かんでいるように見えます。
西峰に登り始めた時は、東峰には行かずにそのまま降りようと思っていたのですが、西峰の頂上から東峰を見たら、行ってみたくなりました。
お鉢回りコースで東峰に行くことにしました。
由布岳は立派な火山で、木々に埋め尽くされていますが、西峰と東峰の間にお鉢があるのです。
途中とことどころで、黒い実がたわたになっている印象深い木を見かけたのですが、名前が分かりませんでした。クマノミズキでしょうか、ずいぶんと樹高が低かったのですが。
東峰への道のちょうど半分くらいのところから、反対側にマタエのあたりが見えます。こちらがわも向こう側も、二つの峰の間のちょうど谷です。
振り返ると、ゴツゴツとして険しい岩場の山道が。
前日の雨で、山の北側の斜面は濡れた岩が乾いておらず、滑りやすく、道もわかりにくかったのですが、慎重に一歩一歩進みます。
ようやく東峰に到着!
事前に調べた時には、4月の地震で一部崩れて通りにくいとの情報もあったのですが、問題ありませんでした。
雲が増えて、九重の山の頭だけが見えました。
西峰です。あそこからやってきたんですね。
東の方をみると、手前の山の向こうに別府湾が見えました。雲の向こうは伊予灘でしょうか。
東峰を降りる時に見えた景色。箱庭のようです。
けっこう楽に登れたので、下りは休み無しで一気に降りました。
頂上から帰り道では小学生も多く見かけたので、娘でも登れたかもしれません。
私が学生だった頃、自転車であちこち旅行をしました。長い休みを利用して何回かに分けて回りましたが、九州の旅行では、山陰から入って九州をほぼ左回りにぐるりと回り、旅の終点となったのが湯布院でした。そこから眺めた由布岳の姿が素晴らしく、いつかあの山に登ってみたいと思ったものですが、それが思いがけず約25年経った今、実現しました。
せっかくなので、帰りに湯布院で温泉に入って行こうと向かいましたら、街中の道路が結構渋滞してましたので、その場で調べて、「塚原温泉」という温泉に行くことに。
元来た道を戻り、逆に山の方に向かいます。由布市のはじっこで、どちらかというと別府に近い。
火口付近に位置する、なかなか風情のある温泉です。
料金を払うと火口も見ることができるそうです。
塚原温泉 http://www.tukaharaonsen.jp
今回の山のルート