真実告知その2

里親になって、歳の小さな里子ちゃんの養育を委託されて、多くの里親さんが悩むことの一つが真実告知ではないかと思います。真実告知とは、里親さんが里子ちゃんに、自分は本当の親ではない、ということを伝えるのが内容としては多いかと思います。歳が小さいうちは告知しなくても問題ないと思いますが、中学生・高校生など思春期に突入してから真実告知をすると伝えられた本人たちの衝撃は大きいようで、かといって伝えることなくそのまま大人になると、それはそれで後々大変なことになることもあるようです。もちろんこれらは個人個人で違うと思いますけれども。特に養子縁組里親として里子を委託される場合は、縁組する前に真実告知するよう、児童相談所から勧められます。

我が家の場合、真実告知は娘が4歳の時。里親会の皆さんと一緒にバスで旅行し、戻ってきて解散になった後。くたびれたから夕食はどこかのお店でとろう、と、馴染みの居酒屋さんに行きました。そこで夫婦でお酒飲みながらおしゃべりし、娘はその横でご飯たべたり遊んだり。実は私は、「この日に真実告知しよう」と狙っていたのでした。旅行に行って、楽しい気分で帰ってきて、そのまま楽しい気分でご飯食べた時なら、仮に、娘の本当の親のことを話しても、ショックは和らげられるのでは?と。私としても、改めてこのような話をするのは緊張してしまうので、お酒入れば話しやすくなるだろう、という目論見もあったのです。

「実はね、Hちゃん」と私は話し始めました。「お父さんとお母さんは、Hちゃんの本当のお父さんとお母さんじゃないんだよ。Hちゃんの本当のお父さんとお母さんは別にいて、Hちゃんを産んだお母さんは、Hちゃんを育てるのが難しいから、このお父さんとお母さんがHちゃんを育てることになったんだよ。」

娘はキョトンとして聞いてました。「意味わかったかなー?」と聞くと「うーん、よく分かんない。」

そうかー、そうだよね。ちょっと笑ってしまいました。

産みの親と育ての親が違うからといって、子どもが気後れする必要は無く、人の生き方はいろいろだから、堂々と生きればよい、と思ってます。Hちゃんはお母さんが二人いて普通、と思って生活しているので、何気ない日常の会話の中で娘の産みの母の話が出てきたりします。いつの間にか娘も、自分はそれが当たり前、という考えで成長してきたように思います。

ただ、真実告知も2段階あるかな、と思うようになりました。我が家の場合、第一段階は、4歳の時に話した、本当のお父さんとお母さんが違うという事実の告知。そして第二段階は、実のお父さんお母さんや娘の兄弟がどんな人たちで、どういう状況で我が家に来ることになったのか、ということの告知。この、第二段階の話というのは小学生には話しても良くわからないだろうと思ったんですね、だから娘が中学生になってから話そうと思ってました。ただ、娘が思春期の真っ只中に突入したら、親の話も聞いてくれないかもしれません。であれば今がチャンス、そしてそれは、娘の実のお母さんの誕生日にしよう、と決めました。

ケーキ買ってきて「お母さんお誕生日おめでとう」と言うだけなんですけど、毎年娘の実のお母さんの誕生祝いをしてます。

そして今回は、養子縁組申立の際に裁判でやり取りしたいろいろな書類を引っ張り出して、実の親がどんな人か、兄弟は、どうして娘が養子縁組で我が家に来ることになったのか、資料で分かる事実を伝えるだけですが、話しました。

娘はケーキ食べながら興味深く話を聞いてました。娘に、実のお母さんや兄弟に会ってみたい?と聞きましたが、「会っても何を話していいか分からないから、いい。」と言ってました。話し終わった後も、その後日も、娘には特に変わった様子はありませんでした。

娘がそれ以上、何かを知りたかったら、何らかのお手伝いはできるかもしれませんが、私たちが今できることはここまでです。

あとは娘が健やかに育つのを見守るのみ。がんばれー!

にほんブログ村 子育てブログ パパの育児へ にほんブログ村 家族ブログ 里親・里子へ にほんブログ村 家族ブログ 養子縁組へ
ランキングに参加しています。よろしければ1クリック、おねがいいたします!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加