18きっぷで日南線に乗る

日南線は、宮崎県の南宮崎駅から県南の日南市・串間市を抜け、鹿児島県の志布志市の終点、志布志駅に至るローカル線です。

志布志駅からはその昔、北へは宮崎県都城市の都城駅に至る志布志線、西へは鹿児島県鹿屋市を通り大隅半島を横断した後に錦江湾沿いを北上して国分駅に至る大隅線延びており、志布志駅は三つの線が接続するターミナル駅でした。既に志布志線と大隅線は廃線となり、辛うじて日南線だけが生き残っています。

今はこの日南線に、普通列車の他に「海幸山幸」という観光特急も走っています。この特急「海幸山幸」の車両は、宮崎県の北側、かつてのJR高千穂線が第三セクターに転換した高千穂鉄道を走っていました。高千穂鉄道は2005年の台風による被災がもとで廃線となり、その車両を譲り受けたJR九州がリニューアルの上、特急「海幸山幸」として蘇らせました。本当にありがたいことです。

私はこの「海幸山幸」に、宮崎に移住する前に乗ったことがあったのですが、移住して9年になるにも関わらず日常の住民の「足」である日南線の普通列車は乗ったことがなかったので、3月に青春18きっぷを使って、妻と日南線の普通列車で終点志布志まで行ってみました。20〜30代の頃は18きっぷを使って休みを利用しいろいろなところに出かけましたが、ここのところご無沙汰だったので、わくわくしながら。

これはキハ40系と呼ばれる車両です。約40〜50年前、全国の非電化地区の住民の足として大量に製造されました。九州の中でも、宮崎には古い車両が集まる傾向がありますが、さすがにこのキハ40系も、もうしばらくしたら見ることができなくなることでしょう。

乗ってみると、振動がすごいですね!路床があまり平坦でないのでしょう、座席に座っていても、下から突き上げられるように、飛び跳ねるような振動が伝わります。これもまあローカル線の醍醐味です。

乗った列車は、途中の油津駅止まり。そこで日南線オリジナルカラーの列車に乗り換えます。

ガラガラと音をたてながら、海沿いを進んでいきます。もちろんワンマン運転です。

朝9時過ぎに南宮崎駅を出て、約3時間。12時過ぎに志布志駅に到着。

「列車に乗る」ことが主な目的だったので、志布志のこともあまり調べておらず、着いたらお昼ごはんだけ食べて、次の午後の1時20分発の戻りの列車に乗り、あわよくば途中下車で飫肥(日南市)の街でもちょこっと散策しようかと、何となくは考えていたのですが。

駅を出て、ぶらぶらと散歩がてら中心街へ向かっていきます。港町だからお魚料理を食べようと思い、途中で見つけたお店に入り、ちりめん丼を注文。生ちりめんと、釜揚げちりめんのハーフです。甘い醤油をつけて食べます。新鮮なちりめんが味わえて満足。

なんて、のんびりしていたら、予定していた戻りの列車に間に合わない時間になってました。3時間後の次の列車に乗ることにして、せっかくなのでお店に置いてあった観光案内のパンフレット手に、志布志の街を散策することに。

歩いていたら、不意に昔風の洋館が現れました。東郷医院、という名前が見えました。なかなかおしゃれですね。旧東郷医院といい、鹿児島県の県指定文化財なのだそうです。

きれいな桜の花に誘われて、宝満寺公園に立ち寄りました。公園の隅には宝満寺跡という県指定史跡があります。かつて聖武天皇が皇国鎮護のため各地に建立した勅願寺の一つとして建てられた宝満寺でしたが、明治時代の廃仏毀釈によって廃寺となったのだそうです。

市内を通り志布志湾に流れ注ぐ、前川。この川と周辺の街の風景は、なかなか趣があります。

志布志は武家屋敷が集まる城下町で、それぞれの屋敷に庭園を構えていたんですね。「志布志麓庭園」という名前で国指定名勝になっているそうです。

こちらは平山氏庭園。立派な石組みと、明るい野山を思わせる斜面のつつじ。桜がきれいな花を咲かせていました。

散歩の途中で見かけた、沢目記の湧水。「飲まずには通れない水がしたゝる」という種田山頭火の句碑の前で、飲まずには通れないとばかりに水を飲む妻。

ある一軒のお屋敷の敷地に入ってみました(街中には解放されている屋敷がいくつかあります)。廃墟ではありましたが、立派な門の屋根瓦の端には大黒様が鎮座し、その後ろに着生ランが生えてます。家の主が居なくなっても、大黒様は自然と共に暮らしています。

妻が「気になる」と言っていた、カフェ。帰りに寄ろうかと、先に街を観てから帰りに寄ったのですが、営業時間が午後3時まで!で間に合いませんでした。でも美味しそうなシフォンケーキを買うことができました。

おそらく、お昼ごはんだけ食べて、帰りの列車に乗ってしまったら、志布志がこんなにも歴史のある街だとは知らなかったでしょう。行き当たりばったりの旅はやっぱり楽しい。

ローカル線の旅、おすすめです。

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